特集 宇宙エレベーター実現へのハードルと可能性
超小型衛星による宇宙エレベーター技術評価
はじめに
超小型衛星は、低コスト・短期開発・リスク分散の優位性から注目を集め、大学衛星を皮切りに民間、さらに高専・高校での開発へと爆発的に広がっている。静岡大学では、STARS(Space Tethered Autonomous Robotic Satellite)プロジェクトを立ち上げ、宇宙機械制御システムとして独創的かつ斬新なミッションを行ってきている(1)。
宇宙エレベーターの構想は、古くから科学者やSFファンの間で知られている(2)。地表面の赤道上から静止軌道を繋ぐ宇宙エレベーターが一般的だが、高度の異なる軌道を繋ぐ軌道エレベーターも宇宙エレベーターの一つである。日本学術会議の第22期学術の大型研究計画に関するマスタープラン2014において、「学術コミュニティの多様なニーズの実現へ向けた超小型衛星の研究開発と軌道上実証」の4つのミッションの1つ「宇宙エレベーターPJ」として、また第23期マスタープラン2017において、「宇宙インフラ整備のための低コスト宇宙輸送技術の研究開発」の主要システムとして採用されている。
このような背景から、STARSプロジェクトでは宇宙エレベーター技術の軌道上実証を目的とした超小型衛星開発を行ってきている。さらに、これらの技術は宇宙デブリ除去への利用を視野に入れている。本稿では、ケーブル伸展を行ったSTARS-C(3)(図1)、超小型宇宙エレベーターデモをミッションとしたSTARS-Me(4)およびSTARS-EC(5)、そして1kmテザー伸展を目指す50kg級次期衛星STARS-X(6)を紹介する。

図1 STARS-C外観図
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