特集 水素・燃料電池の基礎、研究開発、展望~機械工学からのアプローチ~
家庭用燃料電池(SOFC)の熱工学・材料評価学を駆使した高効率化と高耐久化
はじめに
2015年、パリで開かれた気候変動に関する国際会議でパリ協定が採択され、途上国を含むすべての参加国と地域に、2020年以降の「温室効果ガス削減・抑制目標」を定めることが合意された。日本においては2018年に「第5次エネルギー基本計画」が発表され、2030年および2050年に向けての温室効果ガス削減のため、再生可能エネルギーの普及促進や省エネルギーの促進などが基本方針として示された。また、2020年には菅首相が所信表明演説の中で、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を新たに掲げた。
このように温室効果ガス削減の気運が高まる中、当社では家庭でのCO2排出量を大きく削減できる家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(以下、エネファーム)の新モデルを開発し、2020年4月に販売開始した。
エネファームについて
エネファームは、都市ガスやLPガスから水素を生成し、その水素と空気中の酸素とを化学反応させて、電力を作り出す。発電効率は、火力発電所の送電ロスを含めた発電効率(約40%)を上回り、加えて、発電の際に発生する熱も給湯用として有効利用するため、発電と給湯を合わせた総合効率は85%以上となり、家庭におけるエネルギー消費量を大幅に削減することが可能である。
表紙
機構模型
工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)
回転斜板
年代未詳/フォイト社製/ベルリン(独)/真鍮、鉄、ガラス、木製台座/
H220, W320, D145(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
ハンドルに「GUSTAV VOIGT BERLIN. S. W.」の刻字あり。工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ四九八」の木札付。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]