キーワード: やさしい制御工学

第12回(最終回) オブザーバ

No.1261, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1261-36/

1 オブザーバ 図12.1のように、2質点系において質点2にセンサを配置しよう。状態変数を各質点の速度$x_i(t)= v_i(t)$[m/s], $i=1,2$とすると、状態方程式は \[ \begin{split} \begin{bmatrix} \dot x_1 (t) \…Read More

第11回 状態フィードバック制御

No.1260, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1260-36/

1 状態フィードバック制御 以下の状態方程式で表されるシステムについて考える。 \[\dot{\boldsymbol{x}} = \boldsymbol{A} \boldsymbol{x} + \boldsymbol{B} \boldsymbol{u}\] (1) ただし、$\b…Read More

第10回 状態方程式と伝達関数

No.1259, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1259-34/

1 状態方程式から伝達関数行列の導出 これまでの連載で、同じシステムの別表現として、伝達関数(周波数表現)と状態方程式(時間表現)について述べてきた。今回は、これら二つの表現が行き来できることを見ていこう。 まずは、つぎの状態方程式から伝達関数を導けることを確認しよう。

第9回 可制御性と可観測性

No.1258, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1258-44/

1 可制御性 図9.1(a)のように、2つの質点にそれぞれアクチュエータを配置しよう。状態変数を各質点の速度$x_i(t)= v_i(t)$[m/s], $i=1,2$とすると、ニュートンの運動方程式より状態方程式はつぎのように求まる。 \[\begin{split} &…Read More

第8回 状態空間表現:現代制御理論の基礎

No.1257, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1257-28/

  1 状態空間表現 現代制御理論とは、システムの状態(=内部状態)を陽に扱う理論的枠組みである。この枠組みにおいては、システムの入力、出力、および状態の時間変化を下記のような形で表現する。 \[ \left\{ \begin{aligned} \dot{\boldsy…Read More

第7回 離散時間表現と z 変換:デジタル制御系への実装

No.1256, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1256-36/

1 離散時間システム デジタル制御系においては、コンピュータがある時間間隔ごと(たとえば数百~数千分の1秒ごと)にセンサ情報を取得し、それをもとに演算を行い、その結果をアクチュエータへの指令値として送信する。このようなシステムを離散時間システムと呼び、その時間間隔をステップ時間あ…Read More

第6回 古典制御における制御器設計

No.1255, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1255-34/

  1 制御の目的 制御対象が \[Y(s)=P(s)(U(s)+D(s))\] (1) で与えられているものとする。ここで、$P(s)$は制御対象の伝達関数、$Y(s)=\mathcal{L}[y(t)]$は出力、$U(s)=\mathcal{L}[u(t)]$は入力…Read More

第5回 極、零点、安定性

No.1254, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1254-36/

1 閉ループ伝達関数の零点と極 線形時不変システムの安定性を判別する上で、図5.1の閉ループ伝達関数 \[\frac{G(s)}{1+G(s)H(s)}=\frac{a_0+a_1s+\cdots + a_ms^m}{b_0+b_1s+\cdots + b_ns^n}\] (1)…Read More

第4回 周波数応答

No.1253, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1253-32/

1 ゲイン、位相、ベクトル軌跡 線形時不変システムの入出力特性を解析する際に周波数応答が有用である。入力を$u$、出力を$y$、伝達関数を$G(s)$とするシステム \[\mathcal{L}[y]=G(s)\mathcal{L}[u]\] (1) へ正弦波 \[u=\sin(\…Read More

第3回 ブロック線図

No.1252, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1252-32/

  1 ブロック線図の基本 システムの入出力関係を視覚的に示すため、ブロック線図が有効である。本稿は線形時不変システムのブロック線図作図方法と変形則を紹介する。ブロック線図は図3.1のように、矢印で入出力を、白丸で足し引きを、黒丸で分岐を、四角で伝達関数を書き表す。シス…Read More

第2回 ラプラス変換と伝達関数

No.1251, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1251-38/

1 ラプラス変換とその性質 制御工学では、ラプラス変換とこれに基づく伝達関数が用いられる。ラプラス変換を行うと、微分や積分は代数的な演算に置き換わる。そのため、複数の動的な要素から構成されるシステムの解析や設計を行う際に、計算の見通しが良くなる。また、ラプラス変換とその逆変換を用…Read More

第1回 システムの表現

No.1250, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1250-36/

<本連載にあたって> 機械工学に携わる技術者にとって「材料力学、機械力学、熱力学、流体力学」の4力学は、必須の重要な学問分野である。大学や高等専門学校等の機械工学教育で扱う学問領域の多様化によりこれらに割り振られる時間は減少傾向にあり、初学者が学びやすい教科書への要望が高まってい…Read More