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2019/10 Vol.122

【表紙の絵】
おともだちロボット
西岡 紗季 さん(当時4歳)

色々な生き物や自然とおともだちになって、お話ができるロボットです。頭についているアンテナを使って、お花さん、草さん、滑り台さん、太陽さん、雲さんたちとお話ができて、直ぐに仲良くなってハートがたくさん出てくるロボットです。これでみんな自然と仲良くできるとおもいます。

バックナンバー

特集 廃炉国際ワークショップ FDR2019

燃料デブリの切断技術・ダスト挙動・リスクの検討

鷲谷 忠博(日本原子力研究開発機構)・鈴木 俊一(東京大学)

Track 2: Debris Removal Strategy, Risk, Debris Characterization

燃料デブリの安全な取り出しに向けて

本Trackでは、キーノートとしてNDF山本氏による「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所(1F)の廃炉のための技術戦略プラン2018」に関する講演があり、1F廃炉の進め方、廃炉の課題などが紹介された。その後、研究報告として、燃料デブリ取出しに必要なデブリの切断技術、ダストの発生挙動の評価、および取出し時のリスク研究などが報告された。

1Fの圧力容器内(以下、In-Vesselと略記)で生成している燃料デブリは使用済み核燃料の成分に加えて、燃料被覆管や制御棒および炉内の構造材などが含まれると想定されるが、圧力容器(RPV)から格納容器底部に落下(以下、Ex-Vesselと略記)したものは、床面のコンクリートと反応(以下、MCCIと略記)するため、コンクリート成分の一部がデブリ組成に含まれると推定される。米国スリーマイル島原子力発電所事故(TMI-2)時でも燃料デブリは生成したが、MCCIは起こらず、1Fとは炉心の構造、燃料集合体、制御棒などの組成や事故進展の挙動、冷却過程などが異なるため、デブリの成分や形態などについてはTMI-2とは異なるデブリが生成していると推定されている。また、TMI-2で課題となった燃料デブリの硬さや切断時の微粒子(ダスト)の生成については、1Fでも同様に重要な情報になると考えられる。燃料デブリの取出し工程は1F廃炉作業の中で最大の難関と考えられており、そのデブリ特性を把握したうえで、最適な切断技術と十分なダスト対策などを講じる必要があると考える。

Track 2-1 燃料デブリの切断技術とダスト挙動

燃料デブリ取出し工程では切断技術とダスト対策が課題

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