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2021/7 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

角度定規

年代未詳/金属/W652, Dia.137(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

製図道具は近代化の進められた機械学教育に用いられた。本資料の年代や製作場所は未詳であるが、他に「工学寮」「工部省工作所」等の刻記から国内で製作されたことがわかる製図道具類が東京大学総合研究博物館に現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

研究ストーリー

“ なぜだろう” の積み重ね

 

2020年度 日本機械学会賞(論文)

「Brick model for nonlinear deformation and microcracking in thermal barrier coating」

米道 英音、香取 宏明、荒井 正行、伊藤 潔洋、水津 竜夫

DOI: 10.1299/mej.20-00010

 

本稿は受賞対象論文に関して記事をまとめることで若い研究者の方々に参考となるようにと機械学会より依頼を受けたものです。このような機会に感謝いたします。

私がガスタービンの研究を始めたのは1997年ごろになります。この頃、遮熱コーティング(TBC: Thermal Barrier Coating)の存在価値にはやや疑問が持たれていた時代でした。Ni超合金の熱疲労についてはすでに多くの研究者が取り組んでいたために、「この分野で研究するのはキツイな」と思ったのを記憶しております。このため、アウトサイダーな位置づけであったTBCにでも注目してみるか、といった感じで研究を始めたのでした。私の専門分野は材料力学ですので、まずはTBC付き基材を二層はり問題とみなして応力解析を行い、TBCのき裂発生強度を求めればよいと思っていました(間違いの始まり。そして、研究の始まり)。このためにTBC付き試験片を曲げ試験し、TBCにき裂が発生するときの応力を求めてみました。その結果、とんでもない高い強度が得られた!材料力学で説明できないはずはないと思い込んで、残留応力を二層はりに考慮してみたりと、いろいろと工夫してみましたが「全敗!」。これがはじめに出会った「なぜだろう」でした。

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