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2022/4 Vol.125

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特集 IT技術・自動運転技術が担う交通安全

総論:IT技術・自動運転技術が拓く安全でサスティナブルな交通システムの実現

松本 陽(日本大学)

 

はじめに

私たちの日常生活には、移動を司る交通システムの存在が不可欠である。徒歩や自転車などのパーソナルなものから、自家用車、バス、タクシー、鉄道、航空機、船舶といった旅客輸送システム、さらにはトラックによる宅配便から国際的な貨物船に至る物流システムが無くては生活していけない。新型コロナウイルス禍で旅客輸送需要は減少しているものの、物流の重要性がより認識される結果となっている。

旅客移動については、最近「モビリティ」という言葉が盛んに使われている。この言葉は、実は40~50年前に移動の自由を表す新語として登場したのだが、しばらく影を潜めていたのが復活した感じである。MaaS(Mobility as a Service)と称して、近距離のパーソナル・モビリティから遠距離の公共交通機関を含む、一貫した輸送サービスの提供の重要性を説くものである(1)。MaaSは、最近のIT技術を駆使したサービスで新規性はあるが、「交通システムの連携や一貫性が重要」という考え方自体は、今に始まったものではない。

IT技術や自動運転技術の各種交通システムへの適用について語るときは、当然、それぞれのシステムが本来持っている特性について捉えておくことが重要である。その差を考慮した上で、どのシステムに、どのような技術を適用すると効果的であるかが見えてくる。本特集は、そうした考察を行うための基礎資料として活用頂ければ幸いである。

自動運転のメリット

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