日本機械学会サイト

目次に戻る

2022/4 Vol.125

バックナンバー

やさしい流体力学

第4回 流れの表し方

水の流れや空気の流れなど身の回りに多くの流れが存在する.今回は流れ,すなわち流体の運動をいかにして表すかを説明しよう.

4.1 運動の表し方

質点の力学において,例えばボールの落下運動は,ボールを追跡し,時間と共に変化するその位置や速度,加速度によって記述される.流れを記述する場合においても,例えば川の流れの中に浮かべた小さな葉っぱを追跡することで,流体の運動を推定できる.また我々は日々の暮らしの中で,例えば台風やゲリラ雷雨の原因となる雨雲はその経路や進路を注視する.一つの流体塊に注目し,それを追跡しながら物理量を調べる方法をラグランジュの方法またはラグランジュ的な見方という.

一方川の流れの様子を知るには,速度計を複数箇所に設置して定点観測することも有用である.気象予報で見る天気図やレーダー画像などでは,観測範囲は常に固定されている.このように空間に固定された測定点や観測窓から見て,そこを通る流体を調べる方法をオイラーの方法またはオイラー的な見方という.

一般に流れの記述には,ラグランジュ的な粒子の運動の記述よりオイラー的な場の記述が向いている.以下ではオイラー的な記述について述べていこう.

4.2 流体の速度と加速度

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: