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2022/8 Vol.125

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小特集 食を支える機械の魅力

豚肉処理ロボットのセル生産化

海野 達哉〔(株)前川製作所〕

はじめに

これまでの自動除骨装置

食肉処理工程の中でも、骨を取り除く除骨工程と脂などを除去したり厚みや形状を整えたりする整形工程は、作業内容の難易度が高いことから依然として手作業に依存しており、自動化の余地が大きい。

(株)前川製作所(以後、マエカワ)は、これまでに豚部分肉から骨を取り除く自動除骨装置として豚もも部位自動除骨ロボット「HAMDAS-RX」(1)(2)、豚うで部位自動除骨ロボット「WANDAS-RX」(3)、豚肩甲骨・上腕骨除骨ロボット「WANDAS-Mini-MkⅡ」(4)などを製品化してきた。これらの装置は、難易度が高い処理内容を機械化しやすくするために、作業工程を分け、各工程を単純化している。単純化した工程を行い、順次、次工程へ送って処理を完遂するライン生産方式である。各工程が単一機能なので、装置全体としても一つの処理仕様に特化して自動化した装置となる。

食肉処理に必要な多様な処理機能

処理対象が食肉である特性上、処理前の原料の状態は、個体差があるうえに地域や季節、生産ロットによって一様ではない。赤身が好まれる地域と脂が好まれる地域では脂の厚みや筋肉の組成が異なるし、ベーコンの原料を多く必要とするなどの理由で部分肉の切断位置に地域差が出ることもある。

また、地域の食文化や季節の需要変化へ対応するために処理後の形態も多岐にわたる。骨付きの肉を食べることが多い食文化であると、骨を除去しない部分と除去する部分を分けて処理する必要がある。骨を抜いた後の食肉が主流の市場では骨をすべて取り除くことが要求処理仕様となる。また、バーベキューシーズンには骨付き肉の需要が増えるといった季節性の要望の変化もある。このような処理内容の要求は時代とともに変化もしていく。さらに、これらの要求のいくつかは、一つの工場の中で混在することもある。

食肉処理装置には、多様な原料への対応と多岐にわたる処理仕様への対応の両方が要求される。

食肉処理工程にセル生産方式ロボット

多機能を持つCELLDASシステム

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