特集 逆問題解析研究を振り返る
逆問題研究の黎明期に身を置いて
逆問題とは何か?
機械学会誌の逆問題特集への寄稿の依頼をいただいたことを光栄に思う。以前に機械学会誌に寄稿したのは、30年前に遡る(1)。いまは研究の一線から身を引いているため、最新の研究の紹介は、本特集の他の著者にお任せしたい。その代わりに、筆者が逆問題研究の黎明期で経験したことについて、述べさせていただきたい。新規研究の始まりの一つの例として、若い研究者の方々が、新たな研究分野を開拓するときの参考になれば幸甚である。ただ、筆者の身近なものを中心としていること、不正確な点があることは、あらかじめご容赦願いたい。
そもそも、逆問題とは何であろうか? 私たちは、日常から現象や結果を見て、その原因を探ろうとする。機械が発する異常音を聞いて、異常の箇所と原因を特定するものは、逆問題の典型であろう。機械要素を叩いたときの音から、欠陥の有無を判定するのも、逆問題である。話している相手の態度から人となりを推し量り、顔色や顔つきから体調や心情を推察するのも逆問題である。このような、結果から原因を探るものすべてが、逆問題である。
このように考えると、逆問題は私たちの身の回りにあふれており、大きな広がりを持っている。以下では、逆問題を広くとらえ、その意味付けについて考えてみる。
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キーワード:特集 逆問題解析研究を振り返る
表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。
デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)