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2024/3 Vol.127

バックナンバー

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

総論~最近の核融合開発の動向~

石田 真一・大山 直幸(量子科学技術研究開発機構)

はじめに フュージョン(核融合)エネルギーは、以下の特長を有しており、エネルギー問題と環境問題を同時に解決するエネルギー源として期待されている。 ・ 燃料が海水中に豊富に含まれている ・ 燃料1g から、石油8トンを燃焼した時に相当するエネルギーが得られる ・ 高レベル放射性廃棄…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

ITER 計画の現状と調達分担概要、人的貢献

杉本 誠・井上 多加志・中平 昌隆(量子科学技術研究開発機構)

ITER計画のはじまり 「ITER(イーター)」は、平和利用目的のフュージョンエネルギー(核融合エネルギー)が科学的・技術的に成立することを実証する核融合実験炉で、メガサイエンス国際プロジェクトである。 この国際協力は、1985年ジュネーブでの米ソ首脳会談をきっかけとして開始され…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

超伝導コイルの開発と調達の現状

辺見 努(量子科学技術研究開発機構)

ITER超伝導マグネットシステム(1) 核融合実験炉ITERの超伝導マグネットシステムは直径30 m、重量1万トンに及ぶ巨大な超伝導マグネットシステムである(図1)。周方向に18機をドーナツ状に配置するD型コイルがトロイダル磁場(TF)コイルであり、中央に6モジュールを積重ねた中…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

遠隔保守ロボットの開発と調達の現状

武田 信和(量子科学技術研究開発機構)

核融合における遠隔保守 フュージョンエネルギー(核融合エネルギー)の実用化においては、各種の核融合反応の内、反応が最も容易な重水素-三重水素反応(D-T反応)の利用を前提に研究が進められているが、反応の結果として生じる中性子は、核融合装置の構造物を放射化し、ガンマ線源を生じさせる…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

計測装置の開発と調達の現状

及川 聡洋・石川 正男・谷塚 英一・今澤 良太・野尻 訓平・牛木 知彦・田中 優(量子科学技術研究開発機構)

はじめに ITERは多様なプラズマ計測装置とさまざまな方式のプラズマ加熱機器を擁して、核燃焼プラズマの物理と先進的実時間制御によるプラズマ長時間維持を探求できる、最後の機会となる装置である。ITERの機器開発と実運転で得られる知見を踏まえ、核融合炉開発の次ステップである原型炉に実…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

プラズマ加熱装置(RF,NBI)の開発と調達の現状

梶原 健・戸張 博之(量子科学技術研究開発機構)

はじめに 磁場閉じ込め型核融合炉において核融合反応を起こすには、燃料ガスをプラズマ化し、1億℃に加熱する必要がある。第1段階の加熱では、変圧器の原理を応用して、コイル(変圧器の1次巻線)に1次電流を流すことで、プラズマ中に2次電流を誘起し、プラズマが自身の電気抵抗により加熱(ジュ…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

ダイバータの開発と調達の現状

関 洋治(量子科学技術研究開発機構)

ITERダイバータの役割と構造 核融合炉の炉内(真空容器内)に設置され、プラズマに直接面する機器をプラズマ対向機器と呼ぶ。プラズマ対向機器にはダイバータや第一壁、リミタと呼ばれる機器がある。このうち核融合炉の真空容器内で最も過酷な負荷にさらされる機器がダイバータである。本稿ではI…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

テストブランケットモジュールの開発と調達の現状

河村 繕範(量子科学技術研究開発機構)

ブランケットとは フュージョン(核融合)エネルギー利用のための核心技術 ブランケット、およそ機械的なイメージのないこの言葉は、将来核融合発電を行うための中核をなす機器の名称である。現在開発が進められている磁場閉じ込め型核融合炉は、燃料である重水素(D)とトリチウム(T)を融合させ…Read More

特集 核融合実験炉ITER 建設最前線

トリチウム除去システムの開発と調達の現状

磯部 兼嗣(量子科学技術研究開発機構)

はじめに 核融合反応を利用した発電を目指すのが量子科学技術研究開発機構(以下、量研)における核融合研究である。現時点で最も達成が容易である核融合反応は、水素の同位体である重水素(D:デューテリウム)と三重水素(T:トリチウム)を用いた反応であり、核融合実験炉イーターおよび各国が進…Read More