キーワード: やさしい流体力学

第12回(最終回) 乱流

No.1249, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1249-38/

    12.1乱流の性質 第9回に紹介した円管内の非圧縮流れにおいて,層流における管摩擦係数はλ=64/Reだった.しかしこの式は,レイノルズ数が増加して流れが乱流に遷移すると成り立たない(滑らかな管では,おおむねRe>2300で乱流へ遷移する).乱流…Read More

第11回 物体周りの流れ

No.1248, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1248-36/

今回は広い空間の一様な流れの中に物体が置かれた場合の,物体周りの流れと物体が流れから受ける力について考えよう. 前回までに扱った管内流れを「内部流」と呼ぶのに対し,今回扱う広い空間の流れは「外部流」と呼ぶ. 11.1 物体周り流れと物体に働く流体力 流れの中に物体が置かれている場…Read More

第10回 損失とエネルギー授受のある管内流れ

No.1247, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1247-32/

前回は円管内の層流について流体の運動方程式を解いて速度分布を求め,流量と圧力損失の関係を導いた. 今回はより一般的に様々な管内流れを扱うために,エネルギー損失と外部とのエネルギー授受を考慮した準一次元解析を考えよう. 10.1 流管における流れのエネルギー保存式 第5回にて流線で…Read More

第9回 内部流れ

No.1246, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1246-36/

9.1 内部流れ 内部流とは周囲を壁面で囲まれた流れであり,たとえば管内流,ポンプ,圧縮機内部の流れなどである. 一方,飛行機や車周りの流れなど広い領域に置かれた物体周りの流れを外部流という. ここでは内部流の例として,2次元,層流,非圧縮,完全発達した平行平板間流れと円管内流れ…Read More

第8回 次元解析と無次元数

No.1245, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1245-32/

8.1 次元解析と無次元数 身の回りの流れは枚挙にいとまがないが,それぞれの流れの現象の大きさや時間を我々はなんとなく生活の中で感じ取っている. 天気を左右する大気の流れと,空調を左右する部屋の中の空気の流れは明らかに違うし,さらに船,水泳選手,プランクトン周りの流れと全く違うこ…Read More

第7回 流体の基礎方程式

No.1244, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1244-34/

今回は流れを支配する支配方程式を導出する.前回は定常流を考えたが,今回はより一般的に流れは時間と共に変化する非定常流として,図7-1に示す微小な検査体積を考えよう.座標を$x$, $y$, $z$で定義し,それぞれの方向の速度を$u$,$v$,$w$とする.検査体積の各辺は$dx…Read More

第6回 運動量法則

No.1243, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1243-32/

6.1 検査体積と検査面 運動している流体の単位時間当たりの運動量変化と流体に作用する力の関係はニュートンの運動の第2法則によって「(流体の単位時間当たりの運動量変化)$=$(流体に作用する力)」と記述される.質点や剛体と異なり流体は自由に形を変えるため,運動の法則を流体運動に適…Read More

第5回 準一次元流れ

No.1242, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1242-40/

5.1 定常流中の流管 ある流れ場において図5-1に太線で示すような1本の流線を考え,この流線に沿う座標 $s$ をとる.ここでは流れが時間的に変化しない「定常流」として,座標 $s$ をとった流線の周囲を囲むような流管を考える.「流管」とは流線で囲まれた管であり,流管を横切る流…Read More

第4回 流れの表し方

No.1241, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1241-30/

水の流れや空気の流れなど身の回りに多くの流れが存在する.今回は流れ,すなわち流体の運動をいかにして表すかを説明しよう. 4.1 運動の表し方 質点の力学において,例えばボールの落下運動は,ボールを追跡し,時間と共に変化するその位置や速度,加速度によって記述される.流れを記述する場…Read More

第3回 静止流体の力学(2)

No.1240, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1240-42/

3.1 面に働く静止流体力 図3-1のように水中に垂直に設置された板に働く,静水圧による力を考える(静止した水中のゲージ圧を静水圧と呼ぶ).この板の左面は水,右面は大気にそれぞれ接しており,板は水に押されて右向きの力を受けている.ここで,水面から板の重心$\mathrm{G}$ま…Read More

第2回 静止流体の力学(1)

No.1239, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1239-38/

2.1 静止流体中の圧力 流体中には,第1回で扱った粘性応力の他に,圧力が作用している.第2回と第3回では流体中に作用する圧力の性質を理解するため,静止した流体を考える.流体が静止している場合には,粘性応力は働かないので圧力のみを考えればよい.圧力の性質として,以下の3つがある.…Read More

第1回 流体の性質

No.1238, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1238-36/

本連載にあたって 機械工学に携わる技術者にとって「材料力学,機械力学,熱力学,流体力学」の4力学は,必須の重要な学問分野である.大学や高等専門学校等の機械工学教育プログラムで扱う学問領域の多様化によりこれらに割り振られる時間は減少傾向にあり,初学者が学びやすい教科書への要望が高ま…Read More