日本機械学会サイト

目次に戻る

2023/10 Vol.126

バックナンバー

特集 物理化学ナノ製造プロセスの最前線

プラズマ/電気化学プロセスを援用したナノ精度の形状加工と難加工材料のダメージフリー研磨

山村 和也(大阪大学)

はじめに

ナノ製造プロセスによるものづくりの革新

SiC、GaN、ダイヤモンドなどのワイドギャップ半導体は低炭素社会を実現する上で切り札となる高性能省電力パワーデバイス用の材料として注目されている。これらの材料はいずれも硬脆かつ化学的にも不活性であることから難研磨材料として認識されている。これらの材料に対する研磨手法として現状では、砥粒と薬液を混合したスラリーを用いたCMP(Chemical Mechanical Polishing)が広く用いられている。しかしながら、これらの材料に対するCMPの研磨レートは著しく低く、また、スラリーは維持管理が難しく環境負荷が大きいなど、数多くの問題点を有する。

当該研究グループでは、大気圧プラズマを用いたナノ精度の形状創成プロセスや、プラズマや電気化学プロセスを援用して材料の表面を軟化改質し、軟質固定砥粒定盤を用いて高能率かつダメージフリーに改質層を除去することで研磨を行う、スラリーレスの新しい研磨プロセスを開発している。我々はこれらのプロセスを「プラズマ援用/電気化学援用ナノ製造プロセス」と称し、従来の機械加工の限界を突破してものづくり技術を革新すべく研究開発を行なっている。本稿ではこれらのプロセスの原理と種々の難加工機能性材料に適用した結果を紹介する。

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: