10.1 はじめに
バイオエンジニアリング部門では、1987年の発足以来、機械工学を基盤とした研究が進められている。毎年、バイオエンジニアリング講演会およびバイオフロンティア講演会を開催し、前者はシンポジウム形式の研究者向け講演会、後者は次世代を担う若手研究者や大学院生の研究交流の場として位置付けられている。これらの部門講演会や年次大会では、医学系学会や韓国機械学会との連携を、学会・部門レベルで継続的に推進している。また、スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス部門やマイクロ・ナノ工学部門などとの部門間連携を進め、新たな研究領域の開拓にも取り組んでいる。さらに、部門英文ジャーナル(Journal of Biomechanical Science and Engineering)の刊行、Asian-Pacific Association for BiomechanicsやWorld Council of Biomechanicsとの連携など、国際交流活動も積極的に展開している。
バイオエンジニアリングは、機械工学の知見を基盤としつつ、生命科学との協働による新たな価値創出が期待される分野である。今後も、学術研究と産業応用の両面から、さらなる発展が望まれる。
本年鑑では、2025年度に開催されたバイオエンジニアリング講演会およびバイオフロンティア講演会の2つの国内講演会に加え、本部門が注力するAsian-Pacific Biomechanics会議における発表動向をまとめた。これにより、現在、本部門で注目されているトピックの把握に資するものと考えられる。
〔中村 匡徳 名古屋工業大学〕
10.2 バイオエンジニアリング講演会
2025年5月24、25日に第37回バイオエンジニアリング講演会(1)が慶應義塾大学日吉キャンパスで開催され、工学・医学・生物学を横断した多様な研究テーマに関するオーガナイズドセッションと学生主体のポスタセッションが企画された(図10-1)。ポスター(合計134件)の主な内訳は、細胞分野が29件、循環器などの人体・組織分野が42件、治療・医療機器分野が32件、バイオミメティクスなどの自然分野が13件であった。
循環器バイオメカニクスでは、血栓形成メカニズムに注目し、医療機器開発や機能評価に関する議論が行われた。実験的研究として医療機器の安全評価のための体外試験システム開発(1)やせん断応力と血液凝固反応の関係(2)に関する報告があった。また数値計算では、血液動態と生化学的因子の両面を取り入れる試み(3, 4)が進んでいる。
細胞バイオメカニクスでは、静水圧に対する細胞応答に注目し、高静水圧下でのソフトマテリアルやナノバイオテクノロジーの新しい応用可能性(5)や軟骨前駆細胞のメカノセンシング機構(6)が示された。その他に、内耳形成における内圧の影響(7)やTRPV1チャネルの高静水圧応答に関する分子動力学シミュレーション(8)の報告があった。また、細胞が多様なストレスに応答し自らの構造や機能を動的に変化させる能力(しなやかさ(9))に注目したセッションでは、細胞熱特性(10)や細胞内温度分布(11)などが議論された。
臨床現場の課題を工学的に解決することを目指したセッションでは、光干渉断層撮影や電気インピーダンス・トモグラフィーによる生体機能の可視化技術の高度化(12-14)など次世代生体計測技術が示された。他学会との連携OSでは、日本循環器学会とは汗中乳酸センサの実装(15)や織透明化技術を用いた3次元空間オミクス(16)、臨床バイオメカニクス学会とは前十字靱帯再建術に関する研究(17)に関する議論が行われた。
その他に、力学、数学、分子生物学の融合による新しい分野開拓の試みが行われており、軸索内小胞輸送の非平衡ゆらぎを統計力学に基づいて解析する手法(18)や、タンパク質二次構造を用いた分子張力センサによる細胞内分子張力の可視化(19)が報告された。その他に、上皮形態形成メカニズム(20)や昆虫の皺状袋構造を応用した設計手法(21)が示された。また、脳の分野においては、文部科学省令和5年度スーパーコンピューター「富岳」成果創出プログラム「「富岳」で実現するヒト脳循環デジタルツイン」(22)の活動の一環として行われ、AIを活用した脳血流解析(23)や、脳脊髄液に関わる線毛運動(24)や脳形成を司る神経細胞の移動(25)に関する報告があった。
その他に、博士課程の学生主体のセッションやバイオエンジニアリング教育方法について活発な議論が行われた。詳細は2025年度バイオエンジニアリング部門ニュースレター(26)に議事録としてまとめているので参照されたい。

図10-1 第37回バイオエンジニアリング講演会の様子
〔世良 俊博 東京理科大学〕
参考文献
- 岩﨑 清隆, 血流・血圧を模した in vitro 血栓性試験システムの研究開発と安全性・有効性評価への応用, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS2-01.
- 丸山 修, 血液ポンプ内で生じる血栓形成メカニズム, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS2-02.
- 中村 匡徳, 大動脈解離および脳動脈瘤の血栓化予測を目指した血栓形成シミュレーション, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS2-03.
- 武石 直樹,大島 直丈,重松 大輝,和田 成生, 数値解析によるプロトフィブリルの構造化と物性の推定, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS2-04.
- 出口 茂, メガパスカル静水圧へのソフトマテリアルの応答, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS1-01.
- 牛田多加志,Kevin Montagne,松田瑛彦,張珉箕,谷中宥樹,古川克子,上田太郎, 軟骨前駆細胞ATDC-5における静水圧感受性とMAPK関連シグナル伝達, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS1-02.
- 奥田 覚, 脊椎動物に相同な内耳の力学的形成機構は進化の過程で二種類へと分岐した, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS1-03.
- 杉田 修啓, 静水圧上昇下要因でのTRPV1 活性化の違い- 分子動力学シミュレーションによる評価 -, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS1-04.
- しなやかさ生物学:生命はなぜ“しなやか”なのか?, https://www.shinayakasa.net/ (参照日2026年3月23日).
- 村上 光, 細胞熱特性の発見とその生物学的意義の探究, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS10-02.
- 石綿 整, 量子計測を用いた「しなやかさ」解析法の開発 -量子生命科学による最先端生体計測の新展開-, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS2-04.
- 佐伯 壮一, 再生医療における全方位戦略:ロボット支援デジタルトリプレット術中診断システム -多機能OCT を用いた組織内流動のマイクロ断層可視化法-, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS9-01.
- 小川 良磨,木内 悠太,秋田 新介,武居 昌宏, 電気インピーダンス・トモグラフィー(EIT)による生体機能の可視化と応用, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS9-02.
- 中道 友, 光干渉断層血管撮影を用いた微小血流応答に基づく皮膚生理機能計測法の開発 -アルコール耐性計測による検証-, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS9-03.
- 勝俣良紀, 汗乳酸センサの開発と事業化への挑戦, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS5-01.
- 洲崎 悦生, 3次元空間オミクス技術の開発と応用, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS5-02.
- 星野 祐一, 膝関節手術における治療戦略, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS6-01.
- 林 久美子, 極値統計学・ゆらぎの定理から考える神経細胞軸索輸送の解明, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS3-01.
- 奥田 覚, 形態形成の不可逆性を決定する上皮折り目の弾塑性転移, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS3-02.
- 齋藤 匠, Coiled-coil メカノセンサーの開発と細胞内張力伝達メカニズムの解明, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS3-03.
- 森川 健太郎,清水 雄貴,斉藤 稔,井上 康博, 曲面形状を皺構造として作る昆虫外骨格の設計原理の幾何学的理解, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS3-04.
- 「富岳」で実現するヒト脳循環デジタルツイン, https://sites.google.com/view/fugakucerebrodgtwin2023/ (参照日2026年3月23日).
- 安西 眸,柳沢 啓斗,LIAO Jing,太田 信, AI 駆動の大規模データベース血流解析, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS4-01.
- 川村 海渡,中島 円, 山田 晋也, 宮嶋 雅一, 脳脊髄液の動きと脳室上衣線毛, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS4-02.
- 廣田 ゆき,仲嶋 一範, 脳形成を司る神経細胞移動とその制御機構, 日本機械学会 第37 回バイオエンジニアリング講演会(2025), OS4-03.
- 日本機械学会バイオエンジニアリング部門ニュースレター, https://www.jsme.or.jp/bio/news/ (参照日2026年3月23日)
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10.3 バイオフロンティア講演会
2025年12月6、7日に第36回バイオフロンティア講演会が弘前大学文京町キャンパスで開催され、主に若手研究者や学生による161件の口頭発表が行われた(図10-2)。セッションの数は、細胞分野が9つ、組織分野が6つ、循環器分野が4つあり、その他に再生や医療機器、生物、計測、身体に関するセッションが設けられた。
細胞に関する分野は、メカノバイオロジー研究が中心であり、流体せん断応力、微振動,基質弾性率などの物理的刺激がmiRNAを介した細胞間情報伝達、細胞内カルシウム応答、転写因子発現などの分子レベルの応答を変化させ、骨形成や軟骨分化などの細胞機能を調節することが示された(27-29)。また、培養系や計測技術の高度化により、力学環境を精密に制御して細胞応答を解析する研究が増えている。
組織に関する分野は、生体組織の力学特性と生理・病態との関係を多階層で解明する研究が進んでいる。FRET型張力センサを用いた腱組織内での細胞張力の計測(30)や高血圧が大動脈壁の酵素活性に与える影響(31)など、ミクロな力学的変化がマクロな臓器の病態進展に波及するプロセスに関するマルチスケール解析が試みられている。さらに、数理モデルやシミュレーションを用いて組織力学や構造形成を理解する研究(32, 33)も増加しており,計測・実験・計算を統合して疾病発症や再生機構の理解が進められている。
循環器に関する分野は、血行動態の理解だけでなく臨床治療への応用を目的とした研究が中心となってきている。医療画像や患者固有データを用いた心臓・血管モデルの構築や血流評価など、特に患者固有モデルによる血流予測(34-36)や手術後の血行動態予測(35,37)などの研究が進んでいる。
再生に関する分野では、スキャフォールドや3次元培養基材の開発(38-40)を通じて細胞増殖・分化を制御する研究が中心である。電荷(41)・力学(42)・pH(43)刺激により細胞機能やECM産生を調整し、腫瘍モデルなどin vitro系の構築と細胞応答の解明が進められている。
医療機器に関する分野では、低侵襲治療を志向した磁性ナノ粒子による温熱療法(44)や血管内デバイス(45-47)の挙動評価などが進んでいる。また,数値解析と実験を組み合わせた設計最適化や安全性評価の高度化が進展している。
その他に、計測に関する分野では、非侵襲計測(48-50)や実環境での健康・作業評価への応用(51-53)、バイオミメティクスに関する分野では、折り目構造や人工筋などを活用し剛性・変形・機能の最適化(54, 55)が進展している。筋骨格系の身体に関する分野では、外科手術の安全性向上や人工膝関節の運動解析、義足評価などを議論し、事故防止から外科手術やリハビリまで、人体の安全と機能回復を多角的にとらえた研究が進んでいる。

図10-2 第36回バイオフロンティア講演会の様子
〔世良 俊博 東京理科大学〕
参考文献
- 山田 大翔,須⻑ 純⼦, 沢崎 薫, 坂元 尚哉,安達 泰治, 流体せん断応力下における骨細胞由来エクソソーム内包miRNAプロファイルの評価, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1C01.
- 稲垣 雅也,佐藤 克也, 長さの異なる休止期を含む微振動に対する骨芽細胞のカルシウム応答特性, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1C02.
- 佐治 俊太郎, 坂元 尚哉, Daniel E. Conway,伊井 仁志,山崎 雅史, ATDC5 のSox9 核内移行と軟骨分化維持における基質弾性率の役割, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1C03.
- 古西 祐輝, 王 軍鋒, キム ジョンヒョン, 松本 健郎, 前田 英次郎, 腱組織内での細胞張力ホメオスタシス応答の解明を目指したマルチスケール張力応答計測, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1A01.
- 寺田 百花,伊藤 愛,氏原 嘉洋,中村 匡徳,杉田 修啓, 高血圧による力学刺激が大動脈壁脆弱化酵素とその阻害因子の産生量へ与える影響, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1A02.
- 鈴木 杏,亀尾 佳貴, 細胞増殖因子を考慮した小脳形態形成の連続体ベース粒子モデリング, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1A12.
- 喜久里 幸太郎, 津久井 康介, 脇村 尋, 伊井 仁志, 大動脈中膜のラメラユニットにおける間質流の計算流体力学モデル, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2A04.
- 小谷 祐輝,杜 知行,大島 まり, 脳側副血行を定量評価する1D-0D 血流シミュレーション, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1E01.
- 山田 さゆ,土井 啓郁, 岸 勘太,根本 慎太郎,田地川 勉, 先天性心疾患に対するBlalock-Taussig shunt 術時の1次元血行動態シミュレーション(医用画像データに基づく心室中隔欠損と心臓弁狭窄のモデル化), 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1E02.
- 杉本 晃一,前田 憲秀, 幸田 大樹,劉 浩, 患者個別血行動態力学モデルを用いた心不全を有する弁膜症患者の血行動態・心機能の予測, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1E08.
- 幸田 大樹,杉本 晃一, 前田 憲秀,河西 倫太郎,劉 浩, 順行性肺血流を付したGlenn 循環モデルの開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1E04.
- 原畑 祐亮,木戸秋 悟, 治療効果増強幹細胞を増幅する三次元培養基材の構築, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2B01.
- 栁井 萌恵, 古賀 大輝, 西東 洋一, 中西 義孝, 中島 雄太, アルギン酸ゲルの自立膜を用いた新規細胞培養プラットフォームの開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2B02.
- 中川 脩,山本 浩司,森田 有亮, ゼラチン被覆チタン酸バリウム粒子によるPLLA スキャフォールド改質技術の開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2B03.
- 長瀧 智洋,山本 規介, 山本 浩司, 森田 有亮, 誘電分極による電荷刺激が軟骨細胞の細胞外基質産生に及ぼす影響, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2B06.
- 羽根田 一輝,秋山 大陸, 宮田 昌悟, 閉じ込め環境下のHeLa 細胞スフェロイドの特異的成長部における細胞骨格の形成, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2B09.
- 下川 莉奈, 政池 彩雅, 木戸秋 悟, pH 応答性高分子薄膜の設計による焦点接着斑局所的安定性と細胞伸縮ゆらぎの操作, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 2B08.
- 宮本 貴彩, 畑本 明彩, 麓 耕二, 磁気ハイパーサーミアにおける磁性ナノ粒子の発熱特性評価, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1B13.
- 山村 豪士, 寺岡 佳一郎, 服部 薫, 岩﨑 清隆, 冠動脈石灰化部におけるステントの耐久性を評価する加速耐久試験システムの開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1B02.
- 久保田 恭平, 藤崎 和弘, 笹川 和彦, 三浦 鴻太郎, 3D 画像解析およびトルク計測に基づくガイドワイヤのループ形成評価, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1B03.
- 日高 大翔, 高嶋 一登, 芳賀 洋一, 太田 信, 森 浩二, 当麻直樹,庄島正明, 血管内治療デバイス留置シミュレータの開発(挿入手技,デバイス物性の影響評価), 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1B05.
- 木村 有里, 嶋脇 聡, パルスオキシメータを用いた末梢血管抵抗の計測, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F07.
- 早瀬 理絵, 李 知炯, 非侵襲的な血中グルコース濃度測定のための短波赤外LED を用いた光電容積脈波計測法における光学レンズの有用性に関するin Vitro での基礎的検討, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F08.
- 末本 詩織, 一森 純、嶋脇 聡, 温熱刺激応答を用いた非侵襲的血管内皮機能評価法の開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F011.
- 鈴木 那知, 笹川 和彦, 藤崎 和弘,三浦 鴻太郎, 薄型力覚センサを用いた皮膚貼付型入力インターフェースの開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F010.
- 多田 壮翔,成原 大衣智, 依田 信裕,土方 亘, 圧縮・せん断成分を計測可能なマウスガード型咬合力センサの開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F12.
- 上野 響大, 王 森彤, 大竹 真央, 佐川 貢一, りんご収穫作業時の負担を評価するための肩関節トルク推定, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F14.
- 近藤 克樹, 森川 健太郎, 井上 康博, 貝殻構造から学んだ薄肉曲面への折り目構造導入による剛性向上手法, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F02.
- 三國 文菜, 中林 正隆, 服部 遼助, 石川 幹太, 生体筋特性を模倣した異種人工筋肉の協調作用を用いた導電性繊維被覆TCPA ユニットの開発, 日本機械学会 第36 回バイオフロンティア講演会(2025), 1F03.
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10.4 Asian-Pacific Biomechanics会議
本会議はAsian-Pacific Association for Biomechanicsが企画し,隔年で開催されているアジアを中心とした国際バイオメカニクス会議である。第13回Asian-Pacific Biomechanics会議(1)は2025年11月18〜21日にUniversity of Auckland(New Zealand)で開催された。ポスター発表を含めた発表は121件あり、その内訳は細胞メカノバイオロジーの分野が28件、循環器メカノバイオロジーの分野が21件、軟組織メカノバイオロジーの分野が8件であり、これらの分野は国内講演会と同じくバイオエンジニアリング分野の中心である。
細胞メカノバイオロジーの分野では、国内講演会と同じく分子レベルの応答に着目した研究が多いが、その他に老化に伴う組織の硬化や機能不全を力学的な視点から捉えた研究やヒト胎盤の構造を持つオルガノイドチップによる妊娠高血圧症モデルなど、疾患と直結した研究も見られた。また、軟組織バイオメカニクスの分野でも、運動時に脳組織に生じるひずみや床ずれ予防のための接触圧力推定など、臨床や現場でのリアルタイム計測の傾向がある。
また、骨格筋バイオメカニクスの分野が20件、スポーツバイオメカニクスの分野が21件、整形外科バイオメカニクスの分野が12件と、国内講演会と比べるとこの分野の研究の割合が高い。中でも、ウェアラブルデバイスを用いたランニング時の下肢運動に関する大規模データの取得や下腿骨の平均形状を用いた有限要素解析、3Dプリントによる顎関節カスタムインプラント開発など上記と同じく現場・臨床に直結した研究が多い。
その他に、患者データからデジタルツインを自動構築による臨床判断の支援や数値計算と機械学習を組み合わせた血行動態予測など、AIや機械学習を取り入れた研究も数多く発表があり、今後国内講演会でも増加が見込まれる。
〔世良 俊博 東京理科大学〕
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装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。