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2019/5 Vol.122

【表紙の絵】
二人のりいすロボット

木原 友里 さん(当時7歳)

おじいさんとおばあさんがのっていろいろなところに行けるイスロボット、シートベルトつき。下から足がでてそうじをしながらおもったところにいける。かいだんものぼれる。

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会長挨拶

多様な視点からの魅力度向上と未来への投資

2019年度(第97期)

会長 森下 信

 

 本会は、創立120周年を迎えるに当たり、今後の活動目標となる“新生「日本機械学会」の10年ビジョン”を策定し、それに基づくアクションプランを定めました。アクションプランを実行に移してから2年が経過し、会誌・ホームページのリニューアルによる情報発信力の強化、経営企画委員会の新設による組織力の強化、「機械の日」イベントのリニューアルによる公益活動の強化などの成果が形になってきています。アクションプラン実行の3年目となる2019年度も、これまで検討を続けてきた部門活動を活性化するための施策提案、新たな方針に基づく年次大会の開催などの着実な実行が重要です。特に、財政はここ数年安定していましたが、2018年度の決算は4,300万円の大幅なマイナスとなり財政基盤の脆弱性を改めて認識させられる結果となりました。この状況の中で、2019年10月に予定されている消費税増税は本会にも大きな影響があります。この財政的な環境変化への対応も含め、中長期的視点に立った財政基盤の強化を図っていく必要があります。

 2017年度から2018年度にかけて学生員を中心に会員が増加しましたが、技術者離れ・若者離れに歯止めがかかったわけではありません。本会にとっての最重要課題である学会としての魅力度向上については、学術団体としての基盤である学術活動、特に学術講演会の活性化を引き続き図ることが重要です。また、本会は、部門・支部・特別員・女性会員・外国籍会員・教員・技術者・学生など組織、属性、立場の異なる多様なメンバーを内包しており、新たな視点から会員サービスを考えていくことも重要です。特に、特別員に対しては学術・技術の情報を適切に伝えるとともに、産学の交流の場としての学会を有効に活用していただける施策を考えていきたいと思います。

 今後、本会が発展していくためには、将来への投資が必要です。学会には会員以外にもジュニアとその親、小中学校の先生、一般の技術者、企業の管理職、政府・自治体など多くのステークホルダーがいます。これらステークホルダーのより多くの方に本会の活動に参加していただくことが本会の将来の発展につながります。特に重要なのが、機械工学を担う若手人材の育成です。大学・大学院教育のあり方を考え、中学生・高校生に対し機械工学・機械技術の魅力を伝えていくことも重要なミッションです。そのために新設した「人材育成・活躍支援委員会」を中心に、施策の具体化を図っていきたいと思います。

 最後に、本会が何を目指し、どういうことで社会に貢献しようとしているかを会員と社会に対して分かりやすく伝えていくことも重要です。そのひとつとして、SDGsやSociety5.0に関連する社会的課題を「全会横断テーマ」として定めることを検討します。全会横断テーマを掲げることにより、年次大会の活性化、部門間の交流促進、他学会との連携、産学連携の促進などをより強力に推進できると考えます。

 以上の認識のもとに、“新生「日本機械学会」の10年ビジョン”の実現を目指して活動を推進していくため、2019年度の運営方針と重点施策を以下のように定めました。

1. 全てのステークホルダーへの情報発信と価値の提供

2. 若手人材の育成

3. 10年ビジョンに基づくアクションプランの着実な実行

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