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2019/7 Vol.122

【表紙の絵】
外来種を捕まえるロボット

髙島 史堅 くん(当時6歳)

池や湖の外来種を捕まえ、
在来種を守るロボット

バックナンバー

感性認知工学の可能性

化粧品開発における感性認知

荒川 尚美・柿澤 みのり〔(株)資生堂〕

はじめに

嗅いで、見て、触れて感じる化粧品の感性

化粧品と感性は切っても切れない関係である。デジタル大辞林(小学館)によると、「感性」は「物事を心に深く感じ取る働き」の意を持つ。では、生活者は日々の生活の中で「心に深く感じ取りたい」と思っているのだろうか?内閣府が毎年実施している国民生活に関する世論調査(1)によると、生活者が物の豊かさに比べ、心の豊かさを重視していることがわかる(図1)。では次に、心の豊かさを与える手段には何があるだろうか?スキンケアやメーキャップ、ヘアケアなどに代表される化粧は心の豊かさの実現に一役を担っていると筆者らは考えている。「化粧と心」の関りに関する研究が半世紀以上にわたって行われており(2)、化粧は心を彩り、そして心を動かす働きがあることが知られている。香水を纏ったり、メーキャップにより顔に彩りを加え魅力的になった姿を見たり、スキンケアにより皮膚が健やかになり触り心地がよくなったりすることで、五感(主に嗅覚、視覚、触覚)を通じて心にポジティブな影響を与える。より多くの生活者に喜んでもらえる化粧品開発のためには、生活者がどんな感覚を好むのかを研究者が知る必要がある。

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