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2022/10 Vol.125

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日本はものづくりで勝てないのか!?

第10回 アナログとデジタルのハイブリッド化

DXを先駆けたインクスおよびコマツ

日本の経済状況は、“失われた30年”と言われている。その1990年、金型業界のベンチャー企業「インクス(Inter Computer Systemsの頭文字)」が誕生していた。今のDX(Digital Transformation)、Industry 4.0に挑戦した野心的な企業であった。設計データに基づきレーザーで光硬化樹脂を積層する“3Dプリンター”により、携帯電話の例では金型開発期間を従来の10分の1へと劇的に短縮した。1998年には新宿オペラシティの本社から大田区の工場にデータを電送し、試作品の生産システムを構築、従来の製造業の概念を革新的に打ち破った。筆者の研究室も含め早大理工や東大からも多くの優秀な若者が入社した。このシステムを自動車や部品メーカー・精密機械メーカーがこぞって導入し始めた。しかし、2008年のリーマンショックにより資金繰りに窮し経営破綻してしまった。その後もデジタル人材や経営者を多く輩出したインクスとして語り継がれてきた。

コマツは1990年ごろから建設機械の自動運転化、すなわち“コンピューター付ブルドーザー”をいち早く推進した。筆者も油圧機器メーカーを介して、鋼材に磁気的目盛りを付与してロッドの出し入れを計測する技術開発に関与してきた。2001年には建設機械にGPSやセンサを取り付け、稼働状態を把握するシステムに発展させ、デジタル技術とものづくりベースのアナログ技術を基礎に、日本におけるIoTの先端を走ってきた。現在では集中コントロール室から鉱山内における無人車両の交通管制システムを構築している。

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