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2022/10 Vol.125

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経済で読み解く機械産業

第10回 為替レートはどのように決まるのか


足元の為替レートは、日米の金利差の拡大を主因に130円台と異常な円安が続いている。実際、為替レートはどのように決まるのだろうか。短期的、中期的、長期的な要因があり、短期的には金利差の要因が強く、中期的にはファンダメンタルズ(経済的基礎条件)要因が強い。長期的には購買力平価説が有効である。長期の購買力平価説は対象国の物価及び物価上昇率格差により為替レートが決まるという説で、これによれば、日本の物価上昇率は低い伸びが見込まれるので先行きの長期の為替レートは円高傾向と考えられる。

為替レートの推移

為替レートの推移を2000年以降についてみる(表1)。いざなみ景気(2002年2月~2008年2月)時は円安で輸出が大きく伸びた。リーマン・ショック(2008年9月)以降は東日本大震災があったにもかかわらず円高方向に大きく振れたが、アベノミクス下では金融緩和を主因に円安に振れ、これが輸出を押し上げた。2022年に入ってからは輸入原材料価格の高騰、日米金利差の拡大などから大きく円安に動いている。

 

表1 為替レートの推移

(出所)日本銀行「金融経済統計月報」

 

為替レートの決定要因

為替レートはどのように決まるのか。短期、中期、長期それぞれの要因があり、それらを説明する理論がある。短期の金利平価説、長期の購買力平価説が有名である。

短期の為替レートの変動要因

為替レートは短期的には金利差が中心的な決定要因で、中東情勢などの国際情勢(原油価格の高騰など)、政府高官の発言によっても大きく左右される。今回の円安は、貿易収支が赤字基調のところにロシアによるウクライナ侵攻の影響があり、これに日米の金利差の拡大が大きな追い打ちをかけた格好であるが、欧米諸国に比べてコロナ禍以降の景気の回復力の弱さも一つの材料だ。

金利平価説

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