日本機械学会サイト

目次に戻る

2022/11 Vol.125

バックナンバー

やさしい流体力学

第11回 物体周りの流れ


今回は広い空間の一様な流れの中に物体が置かれた場合の,物体周りの流れと物体が流れから受ける力について考えよう.
前回までに扱った管内流れを「内部流」と呼ぶのに対し,今回扱う広い空間の流れは「外部流」と呼ぶ.

11.1 物体周り流れと物体に働く流体力

流れの中に物体が置かれている場合,流体はその物体を避けて流れる.
物体の形状によって物体周り流れのパターンは異なり,物体の下流に生ずる流れを「後流」と呼ぶ.
流れがおおむね物体に沿うような形状を「流線形」と呼び,流れが途中で物体から離れる(これを流れの「剥離」という)ような形状を「鈍頭物体形」と呼ぶ.

流れの中に置かれた物体は,流れから力を受ける.
この力は物体表面の圧力と粘性応力を表面全体で積分することで求められる.
図11-1に示すように,物体が流れから受ける力の流れ方向成分を「抗力」と呼び,流れに垂直方向の成分を「揚力」と呼ぶ.
物体が一様な流れの中に置かれている場合には,その流れを「主流」と呼ぶ.

流れの中に置かれた物体の表面近傍には,主流よりも速度が遅くなる領域(これを「境界層」と呼ぶ)が形成される.
境界層内の流れの様子は条件によって異なり,表面に沿ってほぼ平行に流れる層流状態や境界層内の速度に変動があるような乱流状態となりうる.
物体の形状によっては,このような境界層の状態が流れの剥離に影響し,物体周り流れのパターンおよび物体に働く流体力に大きく寄与する.

図11-1 揚力と抗力

11.2 様々な物体に働く抗力と抗力係数

物体に働く抗力$F_D$の大きさを評価する無次元係数として\!,\!以下のように定義される抗力係数$C_D$が用いられる.
$$C_D=\frac{F_D}{\frac{1}{2}\rho V^2 A}    (11.1)$$

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: