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2017/3 Vol.120

【表紙の絵】
「おはないっぱいさかせロボット」
内田 侑希ちゃん(当時5 歳)
大好きなお花をいっぱい咲かせてくれるロボットがあったらいいな。

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おもしろイベント報告②

子供も大人も大集合!2700 名参加の大イベント 流れのふしぎ展

子供も大人も楽しめる複合イベント

この『流れのふしぎ展』では、身の回りの「流れ」に関する不思議な現象を、「見て」・「触って」・「遊んで」もらい、子供から大人まで幅広く、興味を持ってもらうことを目指した。会場は、東京の日本科学未来館。夏休みの2日間の開催だったが、合計で2700名の来訪を受け、大盛況となった。以下の四つのイベントを合体させた、複合イベントである。

タイトル 流れのふしぎ展「流れのふしぎから未来が見えてくる」
開催日 2016 年8 月11 ・12 日(機械の日関連行事)
開催場所 東京都江東区・日本科学未来館
主催者 流体工学部門 共催/神奈川工科大学
主な対象 小学生から大人まで
主な作業 スタンプラリー(体験型展示) / おもちゃ作製(実験教室)
参加人数 約2700 名

 

①『体験型展示』(小学生~大人対象・自由参加)

ここでは「流れを利用した遊び・おもちゃ」を12種類展示。多くの小・中学生とその保護者たちで、各ブースは賑わい、順番待ちができるほどとなった。その中から3種類を紹介する。

〇『空気の輪』 エアポンプを利用してイルカが口で作るようなリングを水中で作る遊び。
〇『ボールの散歩』 ドライヤーの風でボールを操り、障害物をクリアーしていく遊び。
〇『無回転シュート』 サッカーの無回転シュートの原理を使ったシュート遊び。

 

ボールの散歩

 

コーナーキック

 

流れと遊ぼう

 

②『実験教室』(小・中学生対象・当日先着順で参加)

ストローで吹いて操る、発泡スチロール製の「雪だるま」のおもちゃを製作。そして、そのおもちゃで「流れのふしぎ」を体験する実験を行った。この仕組みが、飛行機の飛ぶ原理と関連しているという説明を聞いて、参加者は驚いている様子だった。

③『科学講演』(小学生~大人対象・自由参加)

二つの講演を開催。「小さな泡の大きなひみつ!?」(金子暁子先生・筑波大学)と「葉っぱが虫に食べられても枯れないのは、なぜ?」(窪田佳寛先生・東洋大学)というテーマで、小学生から大人まで、140人の聴講者が参加。

「泡」の講演では、いろいろな泡が医療や洗浄などに役立つことや、泡の挙動の実験の話などがされた。また、「葉っぱ」の講演では、葉脈のネットワークが網の目状であるために、葉脈1本でも水を吸え、生命が維持できることなどに、皆さん驚かれていた。

④『教員と科学ボランティアのための研修会』(事前申し込み)

小・中・高校教員、科学ボランティア、教職課程学生26名を対象に、「流れ」に関わる原理や応用例について、筆者(石綿良三・神奈川工科大学)が研修を実施。たくさんの実験教材が配布され、その教材をもとに、身の回りの流れの現象の解説がされた。「この教材は面白い」などと、好反応をいただいた。

79名のスタッフと全ての協力者に感謝

本イベントの前身は、1995年に流体工学部門が主催した「流れと遊ぶアイデアコンテスト」の競技イベント。そして、2004年からは会場を日本科学未来館に移し、総合的なイベントとなった。日本機械学会と神奈川工科大学からは助成金をいただいたほか、多くの機関から協力をいただいた。また、運営に当たっては、大学教員12名・学生53名・ボランティア14名、総勢79名のスタッフの協力によるところが大きかった。来訪者とスタッフの合計は2800名。笑顔に満ちた2日間となった。将来の科学技術発展につながる一つのきっかけになれば幸いです。2017年は8月17日と18日に開催予定です。

石綿 良三(神奈川工科大学)

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