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2020/3 Vol.123

表紙の説明:1931 年に米国のブラットフォード社で製造されたベルト掛け段車式普通旋盤の主軸台の換え歯 車装置部分である。当時は、段車の 付いた主軸端に小歯車を装着し、1、2段減速し、その都度、換え歯車表 を見て歯車を掛け替えて、送り速度 やねじのピッチを換え作業した。

表紙写真 北原一宏
撮影地協力 日本工業大学 工業技術博物館

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特集 再生可能エネルギーがもたらす機械の電動化

電力系統におけるエクセルギー電池活用の展望

堤 香津雄〔(株)堤水素研究所〕・藤田 智大〔東京電力エナジーパートナー(株)〕

現状における電力貯蔵設備の概要

電力貯蔵設備の種類と特徴

電力は貯められないことから、発電所で作られた電気は送電線を通じて需要地に送られ瞬時に消費される。そのため、時々刻々変化する需要地の消費電力に合わせて発電所の出力を変化させなければならない。もしこのバランスが崩れると交流系統特有の周波数が一定ではなくなり、乱れの幅によっては需要側の生産活動や社会生活に大きな支障となるわけである。このような電力の需給(需要と供給)の調整については、各電力会社の系統運用者が、これまでは発電所の出力を調整しながら行ってきたが、この需給調整を需要側の蓄電池、発電機、蓄熱・空調などの負荷設備などでも行えるように、デマンドレスポンス(DR: Demand Response)やバーチャルパワープラント(VPP: Virtual Power Plant)に向けた需給調整市場の検討とVPP実証事業が現在行われている。

電力を貯める技術は電力技術者の長年の夢とされてきた。その結果、電気を電気のままで貯めるのではなく、電気を別のエネルギーに変換して貯めて、使用する時は再度電気に変換する「電力貯蔵設備」が開発されてきた。その構成を図1に示す。電力系統に直接接続された電力貯蔵設備はエネルギー変換装置を介して貯蔵装置につながり、この貯蔵装置に電力とは別の形でエネルギーを貯めるわけである。また貯蔵の形態毎に必要な水量・圧力・温度などを制御する補機類もそのシステムに含まれる。この構成は貯蔵装置に貯めるエネルギーの形態が異なるだけで基本構成はどの電力貯蔵設備も同じ構成である。また、表1に電力貯蔵設備の概要を示す。

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