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2020/9 Vol.123

表紙の説明:これは、フライス盤のテーブルに取り付けて使用する割出し台の割出し板部分である。ハンドルを回して穴へピンをさし込んで直接割り出す方法と、送り機構から駆動させる方法がある。これを用いて、円筒工作物の外周上に等分割の溝をフライス加工したり、インボリュートカッタを取付けて歯切り加工したりできる。
[日本工業大学工業技術博物館]

表紙写真 北原 一宏

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特集 V&V―シミュレーションの 信頼性確保のために―

特集「V&V―シミュレーションの信頼性確保のために―」によせて

越塚 誠一(東京大学)

本特集について

機械、土木、原子力の各分野におけるV&Vの現状と適用例を紹介

V&VはVerification and Validationの略で、日本語では検証と妥当性確認と訳す。シミュレーション結果の信頼性を高めるための方法論であり、このたび日本機械学会誌の特集として取り上げることとなった。

固体力学や流体力学などに関するコンピュータシミュレーションは、計算手法の研究の幅広い進展とコンピュータの急速な発達により、ものづくりなどのさまざまな産業において実用的に使われるようになってきた。産業利用においては、失敗が大きな経済的損失や場合によっては人命に関わることもあり、シミュレーション結果の信頼性は極めて重要である。

また、計算力学の基礎的な研究では個々の研究者がプログラムを自ら作成して計算を行うものであり、シミュレーション結果を得るためのプロセス全体にわたって責任をもって関わることができる。しかしながら、計算力学の産業利用においては、特に商用ソフトウェアを用いる場合にはソフトウェアの開発者と使用者は異なっているだけでなく、シミュレーションを行う技術者とそのシミュレーション結果を用いてものづくりを行う技術者が異なる場合も多い。産業においては複数の者が役割分担しており、シミュレーション結果の信頼性に関するコミュニケーションが必要になる。V&Vはこうしたコミュニケーションのための共通用語を提供する役割もある。

本特集では、機械分野、土木分野、原子力分野におけるV&Vの現状について、それぞれの分野の専門家に解説していただく。

2種類のV&V

モデルV&Vと品質V&V

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