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2021/3 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

機構模型:てこクランク往復運動
年代未詳/真鍮、鉄、木製台座/H270, W365, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ二一七」の木札付。台座裏面に「百四拾九」と墨書あり。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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特集 MaaSにより目指す社会とそれを支える次世代モビリティ技術< 電子情報通信学会 合同企画 >

MaaSによるモビリティの新たな展開

須田 義大(東京大学)

はじめに

近年の技術革新により、モビリティの世界においても大きな変革が進んできている。自動車産業においては、CASEと呼ばれる100年に一度ともよばれる変革が注目されている。すなわち、Connected(繋がるクルマ)、Autonomous(自動運転)、Share & Service(シェア・サービス)、Electric(電動化)の頭文字をとったものであり、自動車の在り方を根本的に変えうる潮流である。

情報通信技術の進展、IoTとAIによる新たな社会の実現は、自動運転の実装化が現実のものとなってきた。2015年以降急速に、技術革新のみならず社会制度の変革も進み、2020年には、ドライバーの運転によらない自動運転車が道路交通法・道路運送車両法においても認定され、本格的な社会実装が期待されるようになっている。自動運転のためには、外部から情報の提供を受けることが必要であり、コネクティッドカーになる。究極の自動運転として、無人運転の自動車が実現されると、ユーザはボタン一つでクルマを呼び出し利用することになり、運転の楽しさもなければ、所有する必要性もなくなる。まさに、公共交通のようなシェア・サービスである。EV(電気自動車)はCO2削減のために期待されているが、自動運転とは大変相性がよく、無人運転の自動車であれば、バッテリーの状況に応じて充電を自動で行い、現在の航続距離の短さをカバーできることにもなる。

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