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2021/3 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

機構模型:てこクランク往復運動
年代未詳/真鍮、鉄、木製台座/H270, W365, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ二一七」の木札付。台座裏面に「百四拾九」と墨書あり。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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技術のみちのりー日本機械学会賞受賞技術の開発物語ー

新型塗装機で塗装の未来を塗り変えろ!トヨタ自動車(株)

2019年度技術賞 「超高塗着エアレス塗装技術」

過酷な塗装職場

2020年、トヨタ自動車(株)は、車体の塗装工程に使用する新型の塗装機「エアレス塗装機」(図1)を発表した。自動車の製造現場が待ち望んでいた世界初の技術だ。

自動車の塗装は、色や光沢のみならず、防錆や耐候性を与えるために行われ、主に電着、中塗り、ベース、クリアの4層で構成されている。中塗り、ベース、クリアの塗装には1970年頃から一般的にエアスプレー式の「ベル型塗装機」が使用されていた。塗装機のヘッドを高速回転させながら高圧の空気で塗料を微粒化して飛ばし、車体に塗着させるという仕組みだ。しかし、大きな問題もあった。車体から跳ね返った空気で粒子が吹き飛ばされてしまい、塗着効率(車体に塗着した塗料量/使用した塗料量)が60~70%ほどにしかならないのだ。

それだけではない。実は、塗装工程は「臭い」「汚い」「きつい」の3K職場と言われていた。シンナーなどの溶剤が含まれた塗料の臭い。飛散した塗料で汚れた塗装ブース。そして、その汚れたブースの定期的な清掃は重労働であった。

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