日本機械学会サイト

目次に戻る

2021/3 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

機構模型:てこクランク往復運動
年代未詳/真鍮、鉄、木製台座/H270, W365, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ二一七」の木札付。台座裏面に「百四拾九」と墨書あり。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

やさしい機械力学

第3回 さまざまな力と振動

1. はじめに

本稿では,まず機械の運動に伴い時々刻々変化するさまざまな力について説明し,次にそれらの力により引き起こされる運動の中で比較的概略を理解しやすく,かつ実際上問題となる場合が多い振動現象について概説する。

2. 復元力・摩擦力・減衰力

部材の弾性変形に起因する変位が大きくなるほど変位をゼロにする方向に部材内部で生じる力が大きくなるが,このような力は復元力と呼ばれる。また振り子に作用する重力の運動方向成分は振り子を真ん中(おもりが最も低くなる位置)に戻す方向に作用し,振り子が真ん中から離れるほど大きくなるが,これも復元力として捉えることができる。

接触し面に沿う方向に運動する2面間において,相対速度と逆向きに作用する力は摩擦力と呼ばれる。アモントン・クーロンの法則によると,摩擦力$f$と接触面に作用する垂直抗力$N$は,摩擦係数$\mu $を用いて以下のように関係づけられる。

$f=\mu N$    (1)

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: