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2021/5 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ダブル・ユニバーサル・ジョイント

明治8(1875)年/真鍮、鉄、木製台座/H150, W400, D300(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1875」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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会長就任のご挨拶

社会変化に柔軟に適応し、社会に期待される学会へ

2021 年度(第 99 期)会長 佐田 豊

COVID-19 のパンデミックに見舞われた 2020 年は、まさに激動の一年となりました。世界の多くの国・都市で人の移動や社会活動が制限され、観光や運輸産業を筆頭に経済活動は 2008 年の金融危機に相当する深刻な打撃を受けました。一方、パンデミックや気候変動による災害に対する社会の脆弱性が再認識され、経済の回復施策は、脱炭素化やデジタルといったより良い未来の実現へと大きく舵が切られ始めています。このような社会変化の中で、本会の会員である企業、大学、個人も2021 年度以降の活動の中身やプロセスを多かれ少なかれ変えることが求められます。 2021 年度は COVID-19 の感染を適切にコントロールし ながら、社会、経済活動を回復させ、同時にニューノーマルへ向けた変革を進める重要な年となります。本会にとっては、創立 120 周年を迎える前年の 2016 年に策定された「新生『日本機械学会』の10 年ビジョン」の 1 項目に掲げられた「リーディング・ソサエティとしての学会」、すなわち社会の変革をリードするという学会本来のあるべき役割を果たすことがこれまで以上に期待されています。
こういった環境変化と、これまでの学会としての多様な取組みや議論を継承し、2021 年度は「社会変化に柔軟に適応し、社会に期待される学会へ」を運営スローガンとして、以下の3つの運営方針を掲げて取り組んでいきます。

(1)コロナ後を見据えた学会のあるべき姿の追求

(2)新部門制における分野連携の強化と更なる学会としての価値向上

(3)10 年ビジョン実現に向けた財政の健全化

昨年度に続き、講習会、講演会などのイベントはオンライン開催を積極的に推進します。この機会に「情報」のデジタル化、講習会・講演会のオンライン化を進め、より多くの会員、技術者に有益なコンテンツを届けることを目指します。

併せて、特別員である企業への情報発信及び対話の充実を図り満足度の向上に努めます。特に、特別員企業向けの基礎・応用技術の教育サービスの充実を検討します。

「社会の変化に対応可能な柔軟な部門制の実現」を目指して昨年度より新部門制の試行が始まりました。社会の変化を見据えた企画を推進し、部門・分野の連携を深めていきます。併せて学会横断テーマの活動の強化も図り、分野を横断する課題設定型のテーマを掲げることで部門間交流の促進、他学会との連携強化、産学連携の促進を進めていきます。

2020 年度に限れば COVID-19 の特殊要因もありましたが、長年続く会員数の減少の食い止めが容易でないことを認識し、短期的には運営固定費の削減と収入体系の見直しを行い、財務基盤の健全化を図ります。その施策の一つとして 21 年度 6 月に本会事務所を飯田橋へ移転し、賃料の低減を図ります。また、中長期的な財政ビジョンを検討し、会員数の増強を含む学会の事業規模拡大の施策についても検討してまいります。

機械工学はこれからも変わらず社会の基盤を支える技術であり、ニューノーマルを切り拓く重要な技術の一つです。 10 年ビジョンの実現へ向けて、変化する社会・会員に期待される学会となれるよう本会の運営を進めてまいります。

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