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2018/3 Vol.121

【表紙の絵】
特しゅなラップでオゾンそうを守るきかい「地球守るくん」
澤田 明伸 くん(当時9歳)
今、地球の「オゾンそう」がはかいされてきています。うちゅうでもたえられるかこうがしてある特しゅなラップで地球をおおいます。その特しゅなラップは、太陽風やいん石やうちゅうゴミが地球に落ちてくるのをふせいでくれています。それに、「地球守るくん」の本体は木でできていて、本体を作るときにあまり二さん化炭そを出しません。あと、顔の表じょうを変えられるので面白いです。地球のオゾンそうがはかいされなければいいと思います。

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特集 注目の新規金属材料「高エントロピー合金」

高エントロピー合金の特徴と鋳造合金としての 実用化に向けた研究

永瀬 丈嗣(大阪大学)

1. 高エントロピー合金の歴史と研究の現状

高エントロピー合金の歴史に関して、Murtyらによって編集された教科書(1)のFOREWORD(by Prof. B. Cantor)とPREFACE(by Prof. B.S. Murty, Prof. J. W. Yeh, Prof. S. Ranganathan)に記述がある。要約すると、下記の三つの内容になる。

(1) 1970年代に、Cantorが多成分系合金のアイデアを出したときには、なかなか理解が得られず(予算を得ることもできず、共同研究をしてくれる研究者も見つからず)、若い学生とともに先駆的に研究を開始した。この時期にfcc構造をもつCoCrFeMnNi合金を発見し、25年を経て2004年に論文として発表した(2)

(2) Cantorの発表(2)とほぼ同時に、それぞれ独立に、Yehが「High Entropy Alloys(HEAs)」の概念(3)を、Ranganathanが「Material cocktail」の概念(4)を提唱した。

(3) 現在では、Yehが命名した「High Entropy Alloys(HEAs)」の研究が急速に広まっている。

MiracleとSenkovによってまとめられたレビューペーパー(2016年にオンライン)(5)では、「高エントロピー合金発明から12年経って…」と記載があるように、2004年が高エントロピー合金の始まりの年、との認識が一般的と考えられる。

2004年以降、高エントロピー合金に関する発表論文は単調に増加してきたが、2013年頃から急速に増加して現在に至っている(1) (6)。海外では、アモルファス合金・金属ガラスの研究者の多くが、高エントロピー合金に移行したともいわれており、2016年には台湾で第1回の高エントロピー合金に関する国際会議(ICHEM2016)が開催され、2018年には第2回の国際会議が韓国で開催されることが決定している。一方、我が国ではまだまだ様子見といった現状であると考えられる。

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