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2018/3 Vol.121

【表紙の絵】
特しゅなラップでオゾンそうを守るきかい「地球守るくん」
澤田 明伸 くん(当時9歳)
今、地球の「オゾンそう」がはかいされてきています。うちゅうでもたえられるかこうがしてある特しゅなラップで地球をおおいます。その特しゅなラップは、太陽風やいん石やうちゅうゴミが地球に落ちてくるのをふせいでくれています。それに、「地球守るくん」の本体は木でできていて、本体を作るときにあまり二さん化炭そを出しません。あと、顔の表じょうを変えられるので面白いです。地球のオゾンそうがはかいされなければいいと思います。

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おもしろイベント報告

10年続く関西支部シニア会の「親と子の理科工作教室」

『親と子の理科工作教室』の歩み

2006年に発足した関西支部シニア会は、経験と知識を生かした社会貢献活動の一環として理科好きの子供を育てようと2008年にこの教室を始めた。10年が経過すると活動地域は関西支部一円に拡大し、参加児童数は2017年度末で累計4,700名を超えた(図1)。この活動は2013年度の関西支部貢献賞、2014年度の本部教育賞の栄に浴している。現在約20名のアクティブ会員にとっての楽しみは、テーマを開発すること、教室で喜ぶ児童の歓声と笑顔、終了後の懇親会であり、その都度、教室運営の苦労が報われる思いがする。

なお、教室名を「理科工作教室」としているのは、単に作品を工作するだけが目的でなく、作品が動くメカニズムや科学的な原理についても学習するのが狙いだからである。

図1 参加者数の推移

最大規模の神戸会場は楽しさいっぱい

この会場での教室は2009年に当時の神戸市教育委員長 森脇俊道 シニア会員の紹介で始まり、現在は8テーマを同時開催する年間最大の教室となっている。応募は倍率2倍を超え、参加を断るのに申し訳なく思っている。9年間の通算はテーマ数57、参加児童数671名である。表1は昨年夏の開催状況であり、人気の高いものをいくつか紹介しよう。

 

表1 2017 年夏の神戸会場「親と子の理科工作教室」

 

1.リニア新幹線と同じ原理のモーターを作ろう(写真1)

固定子に電磁石、回転子を永久磁石で作り、電流のオンオフをリードスイッチで制御するブラシレスモーターを製作する。リングを伸ばせばリニア新幹線の走行原理になることを理解でき、うまく回転した時の児童の喜びが大きい。

写真1 リングモーターの組み立て

 

2.メリーゴーランド(写真2)

モーターの力による回転木馬であり、減速して木馬の台をゆっくり回す。台の回転に合わせて子供が乗った木馬がカムの働きでパカパカ飛び跳ねるのが楽しい。

写真2 メリーゴーランド

 

3.上手に歩く二足歩行ロボット(写真3)

手足をモーターで動かし、人と同様に二足歩行するロボットを厚紙で作る。完成したロボットに相撲を取らせるなど、上手く歩かせるには精度やバランスが必要なことを体験する。説明の中では世の中で使われているロボットについても学べるようにしている。 なお、写真3の弟としてせかせか走るジョギングロボも誕生し、二人で活躍中である。

写真3 二足歩行ロボット

 

4.ホーバークラフトを走らせよう(写真4)

空気の力を利用し、船体を支える電池駆動のホーバークラフトを作る。6ボルトの電池でパワフルな走りをし、方向は錘の10円玉の位置で船体の傾きを調整すると上手くいく。この原理を応用した工場での重量物搬送についても説明している。

写真4 ホーバークラフトの競走

 

野依 辰彦(関西支部 シニア会)

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