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2019/12 Vol.122

【表紙の絵】
でんきをあつめるきかい 武田 碧さん(当時 4 歳)
たくさんのかみなりのでんきをあつめてにんげんの生活にすこしずつつかうきかいがあったらいいなとおもって絵をかきました。

バックナンバー

特集 さらなる挑戦、小惑星探査機「はやぶさ2」

総説:「はやぶさ2」ミッションと成果の概要

津田 雄一(宇宙航空研究開発機構)

「はやぶさ2」ミッションの目的と意義

「はやぶさ2」1は、2010年に地球帰還を成し遂げた小惑星探査機「はやぶさ」の後継機として、我が国独自のサンプルリターン技術を発展させ、かつC型スペクトルを有する小惑星からの土壌採取という世界初の試みを実現させるべく計画された事業である。「はやぶさ」が訪れた小惑星Itokawa(=S型:岩石質)に対し、小惑星Ryuguが属するC型は、有機物や含水鉱物を多く含有していると考えられている。Ryuguは直径1km級の天体であり重力が極めて小さいため、地球で見られるような風化が起きず、したがって地球形成年代より過去の状態をよく保存していると考えられている。そのような天体の炭素・水の状態を調べることは、地球の生命の起源に関する知見に繋がるものと期待されている。

小天体片道探査は欧米を中心に数多く実施されるようになっている中、「はやぶさ」(初号機)は小天体への往復探査技術を世界に先駆けて実現した。「はやぶさ2」は、世界初の「はやぶさ」に次ぎ、世界で2番目の小惑星サンプルリターンミッションである。この日本独自の技術を進展させることで、宇宙探査の一翼を牽引したいというのが、本計画の工学・科学技術的側面である。

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