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2020/10 Vol.123

表紙の説明:これは、推力5tonターボファンエンジンFJR710形の排気口部分である。1975年に通商産業省工業技術院の大型工業技術研究開発制度によって開発された。ブラッシュアップしたエンジンは、航空自衛隊のC1輸送機をベースに開発された短距離離着陸ジェット機(STOL)飛鳥に4基搭載され500mで離着陸できた。
[日本工業大学工業技術博物館]

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令と和の産学連携

「次世代光」を軸とした分野融合で新しいものを生み出す-徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所-

※ポストLEDフォトニクス:目に見えない次世代光(深紫外光、赤外光、テラヘルツ波)の実用光源開発とその応用開拓を行っていく研究

青色発光ダイオード(LED)発祥の地、徳島県。2005年には、LEDをはじめとする光関連産業の集積を目指した「LEDバレイ構想」を策定し、策定時わずか10社だった県内のLED関連企業は現在150社を超えているという。こうした環境の強みをいかし、2018年度には内閣府の地方大学・地域産業創生交付金事業「次世代“光”創出・応用による産業振興・若者雇用創出計画」をスタートし、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所を中心にさまざまな取り組みを進めている。同研究所 所長 安井 武史 教授に同事業の戦略と展望を聞いた。

(取材・文 周藤 瞳美)

 

徳島の特徴を組み合わせ「創造的超高齢社会」を実現

——地方大学・地域産業創生交付金事業採択の経緯やそれまでの取り組みについて教えて下さい。

応募の1年近く前から、徳島大学と徳島県、そして一般市民や学生を交えた未来志向のワークショップ「フューチャーセッション」を繰り返して方向性を探っていきました。

徳島県および徳島大学の強みのひとつに、LEDがあります。2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二教授は徳島大学の卒業生ですし、LED世界最大手の日亜化学工業も県内の企業で、多くの卒業生が就職しています。また、徳島大学の強みとして、学部に理工系と医・歯・薬・栄養・保健のライフサイエンス系の学部が揃っていることも挙げられます。一方で徳島県は、高齢化が進行しており、さらに糖尿病の死亡率全国ワースト(※2019年 厚生労働省 人口動態統計)といった課題も抱えています。

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