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2020/10 Vol.123

表紙の説明:これは、推力5tonターボファンエンジンFJR710形の排気口部分である。1975年に通商産業省工業技術院の大型工業技術研究開発制度によって開発された。ブラッシュアップしたエンジンは、航空自衛隊のC1輸送機をベースに開発された短距離離着陸ジェット機(STOL)飛鳥に4基搭載され500mで離着陸できた。
[日本工業大学工業技術博物館]

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特集 これからが本番、IoTの発展浸透に向けた新技術

人と機械が共に成長する Factory IoT〜製造プラットフォームの構築によるリーン生産の実現〜

石橋 基弘〔(株)デンソー〕

はじめに

自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えている。良い車をつくれば売れる「売り切り」の時代は終わり、競争ドメインは新車の“企画から市場投入まで”の企画・開発フェーズから、MaaSに象徴される“市場投入後”のユーザの使い方、より満足度の高い移動体験を提供する「サービス」へと移行している(図1)。自動車部品の製造現場も例外ではない。市場ニーズの変化を素早く捉え、顧客、車両オーナ/ユーザーの満足度を高め続けるモノづくりが求められている。

また、昨今、日本の製造業の生産性低下が懸念されている。90年代、日本の労働生産性は世界トップに君臨していたが、その後年々順位を落とし、いまやTop10から姿を消している。いくつかの要因が指摘されているが、「製造現場がソフトウェアの力を活用できていない」「現場力が個々の工場内にとどまり、横展開のスピードが遅い」など、日本の製造企業がハードウェア主体のモノづくり、個別の改善活動から脱却できていない、と危惧する声が強い。

このような状況の中、先鋭的な車両メーカや設備メーカでは、商品を市場に投入した後、ソフトウェア・アップデートによる新たな価値の一斉提供サービスが実現されている。本稿では当社における製造現場の変化対応力強化、およびソフトウェアを活用した工場のアップデートのあり方について考え方と取り組みの一端を紹介する。

図1 これからの価値(サービス)

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