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2020/11 Vol.123

表紙の説明:これは、1962年にドイツのギルデマイスター社で製造されたチャック作業用6軸自動旋盤のチャック部分(左)と刃物台部分(右)である。円周上に配置され、連続割り出しする6個のチャックに工作物を取付け、刃物台がまるで6台の機械のように軸方向に動いて加工を行い、1周すると1個の部品が出来上がる。
[日本工業大学工業技術博物館]

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特集 航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術

大型電動ハイブリッドドローンK-STORKの開発

友森 博志・林田 篤〔川崎重工業(株)〕

はじめに

山間部での中量物資輸送を目指して

超小型化かつ安価な電子部品が出現し、2010年に発売された一般消費者向け空撮用ドローン「AR Drone」を先駆けとして、ドローンは急速に発展した。そして、バッテリー性能の向上に伴い機体の大型化が可能となり、2016年には世界初の有人ドローンとしてEhang 184が発表された。それ以降、さまざまな形式のVTOL機(垂直離着陸機)が考案、開発されている。しかし、大型VTOL機による人家上空運用、旅客運用にはさまざまな課題が残されており、図1に示す流れで運用範囲を拡大していくのが現実的である。

また、多用途的な使い方ができるヘリコプタに対し、VTOL機はその機体の制約を考慮し、運用に適した形式を選定することが大切である。バッテリー駆動の完全電動VTOL(eVTOL)機について言えば、滞空時間が短い(15分程度)ことが制約条件として存在するが、エアタクシーのような市街地運用であれば滞空時間はさほど大きな問題とはならない。しかし、僻地・離島間運用を考えた場合は滞空時間、あるいは航続距離が重要なファクターとなる。何を重要視するかにより以下の二つの対策が考えられる。

① 航続距離が重要 ⇒ 巡航速度増加(有翼&チルトロータ形式)

② 滞空時間が重要 ⇒ 内燃機関利用(ハイブリッド形式)

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