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2020/11 Vol.123

表紙の説明:これは、1962年にドイツのギルデマイスター社で製造されたチャック作業用6軸自動旋盤のチャック部分(左)と刃物台部分(右)である。円周上に配置され、連続割り出しする6個のチャックに工作物を取付け、刃物台がまるで6台の機械のように軸方向に動いて加工を行い、1周すると1個の部品が出来上がる。
[日本工業大学工業技術博物館]

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令と和の産学連携

生活者や地域を巻き込んだ産学民連携プロジェクト -早稲田大学×ブリヂストン「W-BRIDGE」の軌跡を追う-

環境問題という地球規模の課題解決に向け、早稲田大学とブリヂストンは2008年7月から約13年間にわたり連携研究プロジェクト「W-BRIDGE」を実施してきた。W-BRIDGEの特徴は、従来の産学連携を一歩進め、環境NGOや市民団体をはじめとする地域の生活者までも巻き込んだ「産学民」の連携プロジェクトであるという点だ。大学・企業・生活者/地域が三者一体となった長年の活動から得られたこととは。W-BRIDGE代表・早稲田大学 勝田正文名誉教授に聞いた。

(取材・文 周藤 瞳美)

「民」を巻き込んだプロジェクトを成功させるには

——W-BRIDGEでは毎年研究課題を募集し、さまざまなプロジェクトに取り組まれてきたと思います。まずは産学民それぞれの役割分担について教えて下さい。

ブリヂストンは研究活動資金の提供、早稲田大学は研究活動のマネジメントを主に担当しました。各プロジェクトは、ブリヂストンが指定する重点テーマについて、各大学および環境NGO・市民団体等の一般の方々が連名で応募し、ブリヂストンと早稲田大学による審査を経た案件に対して、研究活動を委託する形で進めていきました。

図1 多様な環境活動モデルの中から優れた活動モデルを見出し、バックアップし、社会普及を図る。

——印象に残っている事例を教えて下さい。

2018年~2019年に実施した「条件不利地域のコミュニティに新しい価値を生み出す公共交通維持モデルの構築」という、群馬大学を中心としたプロジェクトです。東京・池袋駅前でも現在稼働している低速電動バス「eCOM-8」を活用することで、地域の中での移動手段を整備し、その地域の商店やコミュニティへのアクセスを確保しようというものです。

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