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2025/8 Vol.128

表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。

デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)

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学会賞受賞論文のポイント

押されて(推されて)離す(話す)

杉田 修啓(名古屋工業大学)

2024年度日本機械学会賞(論文)受賞

Improvement in the precision of capillary refill time measurements for diagnosing hypovolemic status
杉田修啓,水野貴斗,氏原嘉洋,中村匡徳
Journal of Biomechanical Science and Engineering 18 巻 3 号(2023年)p. 23-00002
DOI: 10.1299/jbse.23-00002

 

大変光栄なことに、2024年度日本機械学会賞(論文)を受賞させていただいた。本稿では、この論文(1)内容を紹介するとともに、この研究を実施した経緯もご紹介したい。

研究の背景・目的

爪は赤みがかった色をしている。この爪が「押される」と爪下の血液が抜けるためか白い色に変わる。5秒間の圧迫のあと、圧迫した指を「離す」と再び血液が戻って赤みを帯びる(図1)。この離した時点から元の色に戻るまでの時間が毛細血管再充満時間(Capillary Refill Time、以下CRT)である。CRTは血液循環機能を表す指標とされ、CRTが2秒以内であれば健康(2)とされる。また、大規模災害時のトリアージにも用いられ、簡易的かつ迅速な循環機能評価法として用いられている。

我々は、CRTの利点を非侵襲的計測と捉え、この手法で血液指標を評価できないかと考えて、血液水分率予測を目指した。「血液内の水分率が下がると血液の粘度が増え、血液輸送に時間がかかってCRTが増加するのでは?」との仮説である。ただし、この予測のためには、水分率の変化をCRTの変化で検出できる必要がある。そこで、水分率変化によるCRTの変化率とCRT計測の繰り返し精度を見積もり、変化が検出可能な計測精度となるよう、計測法を工夫して精度の達成を目指した。

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