日本機械学会サイト

目次に戻る

2021/4 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ラチェット

年代未詳/真鍮、鉄、木製台座/H315, W245, D150 (mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ二一四」の木札付。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

やさしい機械力学

第4回 一自由度系の自由振動

1. はじめに

本稿では,まず運動する系の自由度について説明し,次に最も簡単な一自由度系に着目し,外力が作用しない状態で生じる自由振動について説明する。

2. 自由度

運動している物体の任意の点の位置を表すために必要かつ十分な変数の数は自由度と呼ばれる。例えば図4.1に示す平面上を拘束無く運動する剛体の自由度は3である。このことを示すために静止している直交座標系(静止座標系)$O-xy$と,剛体とともに運動する直交座標系(運動座標系)$O’-x’y’$を考える。剛体は変形しないので運動座標系$O’-x’y’$で表した剛体上の点$P$の位置$\text{ }\!\!~\!\!\text{ }\left( x'{_{p}},y'{_{p}} \right)$は剛体の運動によらず不変,つまり$x'{_{p}}$および$y'{_{p}}$は定数となる。よって$O’-x’y’$の原点$O’\text{ }\!\!~\!\!\text{ }$の位置$\text{ }\!\!~\!\!\text{ }\left( X,Y \right)$と,$~x$軸に対して$x\text{ }\!\!’\!\!\text{ }$軸がなす角$\theta $を用いることにより,静止座標系$O-xy$で表現した点$P$の位置$\text{ }\!\!~\!\!\text{ }\left( x,y \right)$は,以下のように3つの変数$X,Y,\mathsf{\theta }$で表すことができる。

$x=X+x'{_{p}}\cos \theta -y'{_{p}}\sin \theta $      (1)

$y=Y+x'{_{p}}\sin \theta +y'{_{p}}\cos \theta $      (2)

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: