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2021/11 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

機関車模型

年代未詳/ボールドウィン社製/フィラデルフィア(米)/真鍮、鉄、木製台座/

H250, W610, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

「Baldwin Locomotive Works Philadelphia, USA Compound Locomotive Cylinder and Valve Gear S.M.Vauclains Patents 4o6o11, 4o6o12, 471836」の金属プレート付。このような模型が近代化の進められた機械学教育に用いられた。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きの機構模型を含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機器が現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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やさしい機械力学

第11回 多自由度系の振動

1. はじめに

本稿では,多くの自由度を有する振動系について説明する.

2. 多自由度系の固有振動数と固有振動モード

複数の弾性変形する部材で構成される機械を振動系として厳密に捉え部材上の各点の変位を考えるならば,系の自由度は無限大となる.断面一様なはりのような単純な系であれば,連続体としての運動方程式を導出して無数ある固有振動数と固有振動モードを求めることも可能である.しかしこのような場合はまれなので,通常は何らかの方法で離散的な系としてモデル化した多自由度振動系として解析する.
図11.1に示すようにモデル化した離散的な系についても,以下のような$n$自由度系に関する運動方程式が得られる.

$\mathbf{M\ddot{x}+C\dot{x}+Kx=f}$     (1)

ここで$\mathbf{M}$は質量行列,$\mathbf{C}$は減衰行列,$\mathbf{K}$は剛性行列と呼ばれ,多くの場合は対称行列である.また$\mathbf{x}$は変位ベクトル,$\mathbf{f}$は外力ベクトルと呼ばれ,それぞれ以下のとおりである.

$\mathbf{M}=\left( \begin{matrix}
{{m}_{11}} & \cdots & {{m}_{1n}} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
{{m}_{n1}} & \cdots & {{m}_{nn}} \\
\end{matrix} \right),~\mathbf{C}=\left( \begin{matrix}
{{c}_{11}} & \cdots & {{c}_{1n}} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
{{c}_{n1}} & \cdots & {{c}_{nn}} \\
\end{matrix} \right),$

$\mathbf{K}=\left( \begin{matrix}
{{k}_{11}} & \cdots & {{k}_{1n}} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
{{k}_{n1}} & \cdots & {{k}_{nn}} \\
\end{matrix} \right),~\mathbf{x}=\left( \begin{matrix}
{{x}_{1}} \\
\vdots \\
{{x}_{n}} \\
\end{matrix} \right),~\mathbf{f}=\left( \begin{matrix}
{{f}_{1}} \\
\vdots \\
{{f}_{n}} \\
\end{matrix} \right)$     (2)

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