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2017/8 Vol.120

未来型かかし「Farmer」ファーマー
村越 水 さん(当時 14 歳)
本来、鳥から農作物を守るために建てられた‘かかし’ですが、もっと有効に活用しようと考えました。
笠の先端にはスプリンクラーが設置され水を自動的に放出します。笠が回り、鈴を鳴らして農作物を熊や鳥か
ら守ります。
腕から提げられた取り外し可能な籠は、収穫した野菜の重さを測ることができます。
両腕の先端は防犯カメラで 360 度監視します。カメラはもちろん‘かかし’の胴体も回ります。
異常があれば口に模したスピーカーからサイレンが鳴ります。
‘かかし’の背中にあるボックスに生ゴミや抜いた雑草を入れてセットすると堆肥になって出てきます。
これらはコンピュータ機能で管理し、笠に設置された太陽光の電気により動きます。

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特集 2017年度 年次大会

大会概要 見どころ、聴きどころ満載の四日間!

図1 年次大会プログラム概観

はじめに

2017 年度年次大会では、2 件の特別講演、24 件の基調講演、17 件の先端技術フォーラム、16 件のワークショップ、12 件の市民フォーラムなどの特別企画、1,115 件の一般講演など多彩な行事を予定している。

本大会では、会員の皆様にメッセージをわかりやすく伝え、参加者にとっての利便性を向上させるため、三つの大会テーマ「エネルギー・環境」、「超高齢社会を支える技術」、「オープンイノベーション」について、一般講演や特別企画のプログラム編成の際に、関連するものをまとめたゾーンを設定することを試みた。会期および講演室数と、分野およびそれに
対応するセッションなどの企画数のバランスから、関連する全てのセッションをまとめるには至らなかったが、できるだけ参加しやすいように配慮した。また、年次大会の特長の一つである分野横断性をより強調するため、大会テーマとは別に、新融合領域テーマとして、「ライフイノベーション」、「グリーンイノベーション」、「AI 技術の産業応用」を設定することを試みたが、関連セッションを見える形に集めるまでには至らなかった。ただし、「若手の会」と埼玉大学先端産業国際ラボラトリーの合同企画により実施される「事前知識不要!はじめてのDeep Learning ~表情を学習して車両を動かそう~」は「AI 技術の産業応用」の一つとして企画されたものである。以下に、今回の年次大会の見どころ、聴きどころを紹介する(図1)

1. 大会テーマ

三つの大会テーマに関するセッション数は表1 のようになる。大会テーマとの関連性についてはセッション企画者の申請による。また、複数のテーマ間に跨るセッションもある。

1.1 エネルギー・環境

機械工学においては、エネルギー変換の効率を向上させることは大きな目標の一つであり、その達成のためにさまざまな技術が生まれてきた。一方、技術の黎明期から社会の急成長期にかけて、結果的に環境を悪化させてしまったことから、今日では環境の維持は欠かせない観点となっている。「エネルギー・環境」というテーマは非常に多岐にわたるが、関連テーマ57(33 種類) のうち約7 割のセッションを9 月4 日(月)に集めた(表1)

1.2 超高齢社会を支える技術

WHOや国連では、総人口のうち65 歳以上の高齢者が占める割合が7% を超えた社会を高齢化社会、14% を超えた社会を高齢社会、21% を超えた社会を超高齢社会と定義している。日本は1970 年に高齢化社会となり2007 年に超高齢社会となったように、高齢化が急速に進んできたが、未解決の課題が多く残されている。本テーマは、機械工学という立場から今後の社会を支える技術を提示するセッションである。本テーマに関連するセッションの大半を9 月4 日(月)および5 日(火)に配置した(表1)

1.3 オープンイノベーション

2016 年に経済産業省が取りまとめた「オープンイノベーション白書」にあるように、外部等から技術やアイデアを取り込むことで新しい価値を創り出すオープンイノベーションが重要視されている。このテーマは関連する分野が多岐にわたるため、3 日間に分散して配置している(表1)

2. 特別企画

2017 年度年次大会は、特別講演、基調講演、先端技術フォーラム、ワークショップ、市民フォーラムなどの多岐にわたる数多くの特別企画が開催される。

2.1 特別講演

日本機械学会2017 年度年次大会では、2 件の特別講演を企画している。

一つ目は、浦和レッドダイヤモンズ(株)代表取締役社長の淵田 敬三 氏による「サッカーのちから ~豊かな社会づくりに向けて~」と題した講演である。淵田氏は、プロサッカークラブの代表を務めるとともに、自動車産業の工場管理などのご経験もあり、マネージメント、人材育成、地域貢献などの興味深い話題についてお話しいただく予定である。

二つ目は、埼玉大学大学院理工学研究科戦略的研究部門・教授、図書館長の坂井 貴文 氏による「人生に関わるホルモンの話」と題した講演である。坂井先生は、内分泌学を専門とする研究者・教育者で、内分泌学の他、ホルモンの産生・分泌制御およびその生理作用、脳腸相関を含む消化管機能調節機構などの消化管生理学に関する先駆的な研究をされている。本講演では、機械工学分野の方々や一般の方々にもわかりやすくホルモンについてお話しいただく予定である。

この2 件の特別講演により、新たな気づきや学びを共有し、設計開発・研究・人材育成・教育・マネージメント・地域貢献などで今後の諸活動にお役立ていただければ幸いである。

表1 大会テーマ別セッション数

2.2 本部・実行委員会企画

年次大会では、主体としては各部門に種々のイベントを企画していただいているが、本部および実行委員会独自の企画にも注力した。

(a)「若手の会」企画
昨年度に続き、「若手の会」が企画したイベントが実施される。今年度は、埼玉大学先端産業国際ラボラトリーとの合同企画として、「事前知識不要!はじめてのDeep Learning~表情を学習して車両を動かそう~」を実施する。「Deep Learning に興味があるが使ったことがない」「どこから手を付けていいか迷っている」という方を対象に、Deep Learningの世界に一歩を踏み出す機会を提供するワークショップである。AI 技術がどのように産業に応用されるのかを実感できる絶好の機会であるため、積極的にご参加いただきたい(事前申し込みが必要)。

(b)水素自動車試乗会
燃料電池自動車の展示および試乗会を実施する。埼玉県およびさいたま市の全面的な協力により、次世代自動車の一つと位置付けられる燃料電池自動車を試乗してもらう。会場が位置するさいたま市は、次世代自動車・スマートエネルギー特区であり、燃料電池自動車(FCV)や電気自動車(EV)の普及が進む、次世代自動車の先進都市なのである。

(c)鉄博ナイトミュージアム
鉄道の要衝である大宮を抱えたさいたま市ならではの、JR 東日本大宮総合車両センター(かつての国鉄大宮工場)の見学会と、鉄道博物館の夜間公開(ナイトミュージアム)を企画した。燃料電池バスによる送迎(往路のみ)を予定している。

(d)企業セッション
企業からの参加者を増やすためには、企業からの発表を集めた「企業セッション」が有効であるという検討が企画理事会で行われてきた。今回は、2016 年度日本機械学会賞:技術を受賞した企業4社から対象となった技術の開発ストーリーなどにつきご講演いただく予定である。

(e)その他
その他にも多数の本部企画が予定されている(表2)

3. 市民フォーラム

さまざまな形態により一般の方々に機械工学を知って楽しんでいただくため、表2 掲載のものを含めた12 件の市民フォーラムを企画している。

年次大会の初日となる9 月3 日(日)、4 日(月)には、参加登録不要の市民フォーラムが開催され、3 日(日)には、小中学生対象の「流れのふしぎ科学教室」、エンジン組立実習を含む「温めて動く機械スターリングエンジン」、「法と経済で読み解く技術のリスクと安全~ドローンに関する模擬裁判~」、超高齢社会を支える技術に関連する「ライフサポート講演会」、エネルギー・環境に関連する「社会で活躍する技術~エネルギー、環境~」、「原子力安全」などが行われる。つづく4 日(月)には、「彩の国から発信する水素社会の未来像」、「未来社会の幸せと倫理」などが開催予定となっている。

4. ジョイントセッション

年次大会の特徴の一つは、分野横断・部門横断である。今回も特別企画の全83 件中22 件が複数の組織による共同企画である。この中には、日本循環器学会との学会連携特別企画「血流解析は循環器病の診断にどう貢献できるか」や、パネルディスカッション「自動運転社会に備える」が含まれる。

一般講演は、24 の部門等(専門会議および推進会議を含む)による合計222 セッションの中の93 がジョイントセッションとして開催される。分野横断的に産・学・官の技術者・研究者が一堂に会し、熱のこもった議論が展開されることを期待している。

表2 本部・実行委員会企画

ようこそ2017 年度年次大会@埼玉大学へ

日本機械学会創立120 周年の大きな節目の記念すべき年に、埼玉大学で年次大会を開催できることは大変光栄なことであり、実行委員会、産・学・官の関係者一同、多数の皆様にご参加いただけることを、心より願っている。


2017 年度年次大会 実行委員長
<フェロー>

綿貫 啓一

◎埼玉大学大学院理工学研究科戦略的研究部門感性
認知支援領域 領域長・教授/先端産業国際ラボラ
トリー 所長
◎専門:人間支援工学、ヒューマンインターフェイス、
感性認知、脳科学、ヘルスケア、メカトロニクスなど


2017 年度年次大会 実行委員会幹事
<正員>

山本 浩

◎埼玉大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学
部門 教授
◎専門:機械力学、機素潤滑設計、防振、ロータダイ
ナミクス、軸受、摩擦・摩耗など


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