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2018/11 Vol.121

【表紙の絵】
地球アニマル保ごしせつ
村井 暁斗 くん
(当時10 歳)
動物を地球の中に入れてすみやすいようにしている。
またしょく物も入れているので定期的に水を外から、あたえる。
野生動植物をほごする。

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特集 空の産業革命―「飛行ロボット」としての次世代ドローン―

ドローンによる打音検査システム

正沢 道太郎〔日本電気(株)〕

はじめに

老朽化するインフラと維持管理の課題

2012年に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を契機として、日本全国に約70万橋ある橋梁や約1万本あるトンネル(1)に対しての老朽化状況の把握と適切なメンテナンスの実施が急務となっていることが認識された。

中でも、特殊な形状や高い橋脚を持つ橋梁では一般的な橋梁点検車や高所作業車を用いた点検は困難である。そのような橋梁に対して現時点では、大規模な足場やロープを駆使して橋にぶら下がりながら点検するロープアクセス工法などが行われているが、費用的な観点以外にも効率や安全面での課題がある。

こういった課題に加えて、インフラ維持修繕の費用の増大が懸念される中、厳しい財政状況が続き、業界の少子高齢化に伴う熟練技術者の減少(2)が進んでいる。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)事業

老朽化したインフラの維持管理課題を解決する取り組みとして、科学技術イノベーション総合戦略および日本再興戦略が策定された。2013年12月には総合科学技術会議(平成26年5月に内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)に名称変更)主導のもとで「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」事業が開始された。事業の一つとして日本電気株式会社、株式会社自律制御システム研究所、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般財団法人首都高速道路技術センターの4社でドローンによる打音検査を実現する研究開発に参画した。この事業は内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「SIP インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」(管理法人:NEDO)によって実施されたものである。

ドローンによる打音検査の課題

ドローン搭載ハンマーで部材を打音検査

コンクリートで造られた橋梁やトンネルでは長年の風雨などによりコンクリート内部に空洞や剥離ができる。空洞や剥離は目視で発見することは困難で、点検ハンマーによる打音検査が有効とされている(3)。一般的には点検対象の近くまでアクセスし、点検ハンマーを用いて行うが、点検対象へのアクセスが難しいコンクリート構造物も存在する。そのような点検はドローンの導入による効率性や安全性の向上が期待される分野の一つである。

一般にドローンがコンクリートの打音検査をするにあたって直面する課題には大きく三つある。

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