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2019/4 Vol.122

【表紙の絵】
魚が空を飛べる「まく」をつけるそうち

山本 波璃 さん(当時9歳)

魚は水の中でしか、生活ができないけれど、 このそうちでまくの中に入ると、水の外で も生きていけます。そうすればいっしょに 魚たちと遊べます。

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ソフトロボット学

自在に変形する太陽電池

福田 憲二郎(理化学研究所)・藤枝 俊宣(東京工業大学)

太陽電池がソフトロボットに果たす役割

ソフトアクチュエータを利用したソフトロボットのアプリケーションを駆動させる際には、大なり小なり電力が必須である。環境から電力を得る「エナジーハーベスティング」技術が近年盛んに注目を集めており、この技術とバッテリーを組合せた電力供給システムをフレキシブル・ソフトな構成で実現することで、長時間連続駆動するソフトロボットのシステムが構築できると考えられる。目標は電力によってアクチュエータ自身を駆動させることであるが、電力の収支バランスが取れるかどうかの課題はエレクトロニクス・ロボット双方からの積極的な歩み寄りが必要である。いずれにしても、ソフトロボットに装着されたセンサーなどのエレクトロニクスを長時間連続的に駆動させる際に、電力の問題は無視できない課題であり、上記の電力システムはこの観点を解決するための有望なツールであろう。

エナジーハーベスティング技術には振動、熱などのさまざまなターゲットとなるエネルギー源が存在するが、その中でも光発電、すなわち太陽電池は単位面積あたりの発電効率を最も高くすることが可能であると考えられている(1)(表1)。太陽電池の中でも柔軟性に優れた有機太陽電池を利用することで、ソフトロボットのやわらかさを損なわないシステムが構築可能である。

 

表1 さまざまな環境発電技術のまとめ。

光発電技術を屋外での使用が最も単位面積あたりのエネルギー効率が大きくなることが示唆されている。

文献(1)などを基に著者作成。

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