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2019/4 Vol.122

【表紙の絵】
魚が空を飛べる「まく」をつけるそうち

山本 波璃 さん(当時9歳)

魚は水の中でしか、生活ができないけれど、 このそうちでまくの中に入ると、水の外で も生きていけます。そうすればいっしょに 魚たちと遊べます。

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ソフトロボット学

イオン交換膜が実現するソフトモーション

難波江 裕之・鈴森 康一(東京工業大学)・安積 欣志・堀内 哲也(産業技術総合研究所)

はじめに

本研究課題では、新学術領域「ソフトロボット学」において「しなやかな動き」創出のための、ソフトアクチュエータに関する研究をテーマとしている。電圧印加によって変形する電気活性高分子や熱による形状記憶合金・ポリマーや流体駆動アクチュエータなどさまざまな原理のソフトアクチュエータが提案されている。中でも固体電気化学プロセスの基本材料であるイオン交換膜の性質に着目し、I.イオン交換膜への電圧印加に伴う交換膜内での物質移動によって引き起こされる交換膜変形を利用したソフトアクチュエータ(イオン高分子アクチュエータ)、およびII.交換膜/電極界面での電極反応による気体生成・吸収による気液の容積変化を利用したラバーアクチュエータ(EC:Electrochemical ラバーアクチュエータ)の二つを柱としており、東京工業大学と産業技術総合研究所がそれぞれアクチュエータ工学と材料工学の観点から相互に連携しつつ研究を進めている(図1)。本稿では、これら2種類のイオン交換膜を用いたソフトアクチュエータについて述べる。

図1 研究概要

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