経済で読み解く機械産業
第12回(最終回) 地域経済から機械産業の動きを読む
地域経済動向は地域の景況を見るものだが、判断は鉱工業生産の動向に大きく左右される。「地域を見ることは産業を見ることだ」と言われるように産業、特に自動車や半導体の生産の動きに大きく左右される。
地域経済動向の役割
通常の景気回復の初期段階では、マクロの経済指標を見ただけでは、景気の回復がなかなか読めないものであるが、産業の動向や地域経済の動向をみることによりマクロ経済の動きをつかむことができることが多い。
地域経済動向の目的は個々の地域の経済の動きを把握することであるが、マクロ経済動向の把握における補完的な役割も持っている。経済規模の小さな地域経済では景気の微妙な動きがその地域の経済構造、産業構造や工業構造を反映し、増幅された大きな動きとして出てくるので、景気の動きをしっかりと把握することができる。
ここで取り上げる地域経済動向の「地域」とは、東北、北陸、東海や九州といったブロック別の地域を意味する。地域経済動向には、①景況を調査したもの、②ビジネスサ-ベイという形で企業経営者に景況を尋ねるもの、③設備投資や工場立地の動きを見るものなどがある。
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