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2026/7 Vol.129

装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。

バックナンバー

特集 地震災害に備える 機械工学の防災・減災技術

社会基盤としての昇降機の耐震技術とレジリエンス

皆川 佳祐(埼玉工業大学)・藤田 聡(東京電機大学)

現代社会における昇降機の役割

建物の高層化や、社会の高齢化、多様化などから、近年、特に高層ビルや高層マンションにおいて、エレベーターに代表される昇降機は、単なる移動手段ではなく、水道、電気、ガスなどに並ぶライフラインや社会基盤施設の一つとして位置付けられている。ひとたび地震でエレベーターが停止すると、乗客の閉じ込めにつながるのみならず、オフィスビルや在宅避難が前提と考えられている超高層集合住宅などにおいては、地震後の社会生活継続に大きな影響を与える。例えば、東日本大震災での首都圏の超高層集合住宅における調査では、エレベーターの一部復旧に7~13時間要した事例や、完全復旧に20日以上を要した事例が報告されており、住民に対するアンケートでも、エレベーターの停止について「大変困る」、「困る」と回答した居住者は70%を超え、ガスの停止よりも多かった(1)

昇降機は、これまでに多くの地震被害を経験してきた。その経験のたびに、今日までに耐震指針の改定などを経て耐震性を向上させてきた。上記の通り、昇降機についても、これまでの人命を守る防災から日常生活、社会活動を守る防災へシフトしてきており、機能維持の観点からさらなる耐震性向上が求められるようになってきている。一般に、エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機、段差解消機などの総称を昇降機と呼ぶが、ここでは、特に地震時の被害が社会活動に大きな影響を与えるエレベーターについて、地震時の被害や復旧、利用、課題について解説する。

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