特集 地震災害に備える 機械工学の防災・減災技術
AI 技術がBCP に貢献できること
震災から15年を迎えて
2026年は東北地方太平洋沖地震から15年、熊本地震から10年の節目の年である。これらの震災以降、深層学習に代表されるAI技術は急速に発展し、いまや工学の幅広い分野において身近な存在となった。高次元かつ非線形な現象を効率的に扱えるAI技術は、異常検知や設計最適化をはじめ、従来手法では困難であった課題に新たな方策を提供しつつある。
一方、地震や豪雨などの自然災害は激甚化・頻発化しており、事業継続を脅かすリスクへの備えの重要性が高まっている。こうした背景から、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)への関心が改めて集まっている。BCPとは、重要業務を中断させない、あるいは中断しても目標復旧時間内に再開させるための計画であり、平時からの準備と継続的な見直しがその実効性を左右する(1)。AI技術は、設備の異常検知、被害状況の迅速な把握、復旧優先順位の意思決定の支援など、BCPの運用における初動対応の迅速化への貢献が期待される。
本稿では、AI技術のうち深層学習と最適化手法に焦点を当て、それらがBCPに貢献しうる可能性を筆者の研究例に基づいて概説する。あわせて、寺田寅彦が100年前に遺した警鐘を手がかりに、技術が高度化する時代におけるBCPや防災のあり方を考察したい。
深層学習を活用した構造ヘルスモニタリング
加速度応答スペクトルを利用した方法
地震後の初動対応において、建物や機器の継続使用の可否を迅速かつ正確に判断することは事業再開の鍵となる。構造ヘルスモニタリング(SHM)は、加速度計などから取得されるデータを活用して、構造健全性を評価する技術である。
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キーワード:特集 地震災害に備える 機械工学の防災・減災技術
装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。