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2019/8 Vol.122

【表紙の絵】
れいにーうぉーくのぱたぱた
長谷川 遥 さん(当時6 歳)

雨の日にブルーになる気分や、ストレスで落ち込む現代の人たちの気分をいやしてくれるとっても自然のいいかおりのするスプレーをまきながらぱたぱた飛びながら空中散歩する人間をハッピーにする未来のマシーン

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人と機械の新しい関係

海底地形をロボットで高速広域マッピングする競技会で日本「Team KUROSHIO」が準優勝

取材・文 森山 和道 http://moriyama.com/

 

我々はまだ地球の2/3を知らない。海底のことだ。海底地形を高速で、かつ完全自動で取得するための国際競技会が行われ、日本から出場した「Team KUROSHIO」が準優勝の成績を獲得し、100万ドルの賞金を得た。彼らの取り組みと今後の展望を紹介する。

Team KUROSHIOのメンバー

■無人海中広域探査競技会 「Shell Ocean Discovery XPRIZE」

海は広いし分厚い海水に覆われている。そのため、海底の詳細な地形図は全く作られていない。いやいや、世界地図には海底地形もちゃんと描かれているではないか……と思うかもしれないが、あれは実は、1,000m四方に一つくらいの観測点の情報を繋げて描いた推測に過ぎない。詳細な海洋地形図は1割程度しかできていない。

これに対して、広域の地図を無人で、しかも高速で作成しようという海中ロボコンが行われた。「Shell Ocean Discovery XPRIZE」である。スポンサーは海底油田の開発を行っている石油会社大手のShell。枠組みは、高額賞金を出す競技会形式で、ギリギリ困難なタスクを競わせることでブレイクスルーを目指すXPRIZEだ。賞金総額は700万ドル。

現在の海中探査は、多数の高度スキル作業者が運航する有人支援母船と、母船管制のもとで稼働する海中ロボットが行っている。人手に加えデータ処理にも時間がかかっている。他方で、石油業界は低コスト広域調査の技術を求めている。

今回の競技会では、解像度は水平5m、垂直50cmながら、50km2の海底地形マッピング・データ提出を、完全無人で48時間以内で実行することが課せられた。

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