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2026/10 Vol.129

装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。

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学会賞受賞論文のポイント

ワイヤロープの疲労現象を素線一本一本から捉える ―F(i 29)ストランドの有限要素モデリング―

緒方 公俊(労働安全衛生総合研究所)

2025年度日本機械学会賞(論文)受賞

Finite element modeling for single-twisted Fi(29) strand that reproduces strand stiffness and wire stress

Masatoshi OGATA, Atsushi YAMAGUCHI, Kenta YAMAGIWA, Naoya KURAHASHI and Satoshi IZUMI

Mechanical Engineering Journal 2024 年 11 巻 6 号 p. 24-00299

DOI: 10.1299/mej.23-00299

はじめに

ワイヤロープ(以下、ロープ)は、細い鋼線である素線を何本も撚り合わせて作られた機械要素である。多数の素線を束ねて撚ることで、高い引張強度と柔軟性を両立できる。この特徴により、ロープはクレーンやエレベータなどの機械で広く使われている。

ロープは使用中、荷重を支えたままシーブ(滑車)を繰り返し通過する。このときロープには、引張力に加えて、シーブに沿った曲げが作用する。その結果、ロープを構成する素線には繰返し応力が生じ、やがて一部の素線に断線が発生する。このような素線断線が増えると、ロープ全体として荷重を支える能力が低下し、最終的に破断に至る。したがって、ロープを安全に使うためには、「ロープ全体がいつ破断するか」だけでなく、「どの素線が、どのような負荷を受け、いつ断線し始めるか」を理解することが重要である。

ロープ全体の疲労寿命については、多数の疲労試験データから、寿命式や交換基準に関する知見が蓄積されてきた(1)~(3)。一方で、シーブ通過時に一本一本の素線に生じる応力・ひずみに基づいて、素線レベルで疲労寿命を評価した研究は限られている。これは、ロープ構造の複雑さから、特に内部の素線については、実験で直接応力を測定することが難しいためである。

そこで有効な手段となるのが有限要素解析である。ただし、ロープの解析では、素線のらせん形状や素線同士の接触・摩擦を適切に表現する必要があり、モデル化は容易ではない。さらに、計算で得られた素線の応力やひずみが本当に妥当な値であるかどうかを、実験によって確認する必要がある。

本来はロープの解析が目的であるが、基礎的な検討のため、本稿では、国内のクレーン用ワイヤロープとして広く用いられているIWRC 6×Fi(29)ロープを形成する、単撚りのFi(29)ストランドを対象とした。ストランド全体の力学特性だけでなく、素線一本一本に生じる応力・ひずみまで再現できる有限要素モデルの構築を目指した。

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