スケールシフト思考― 視点を変えると世界が変わる
第10回 日本古代史への挑戦

▼歴史への挑戦
スケールシフト思考を「立ち位置を変えることで、見かた・考え方を変え、新たな最適解を導出するための思考」と広く定義してきたので、本稿では人文科学分野を取り上げる。
人文社会科学と言っても美術や音楽などの芸術は定量的な議論ができないからちょっと難しい。そこで、歴史なら人口変化や年代など数字で扱える。しかし、歴史も広い。日本史もあれば、世界史もある。年代的にも古代、中世、近世、近代、現代と大括りでとらえられる。
ここでは日本古代史をターゲットとする。古代は縄文から大和時代までを指す。ではなぜ古代史か。歴史に疎い私は古文書を読めるわけでもない。でも、小学校から学んだ日本の歴史を読み返すと、いくつかの疑問、なぜかという知的好奇心がわいてくる。史料(資料)がないので古代史の5W1Hの満足のいく説明が教科書にはない。例えば日本人はどこからどこに、いつ、何人で、どのように来たか。弥生時代は弥生土器、稲作の開始、大陸からの渡来人などがあげられているが、あたかも自然発生的に生まれたような記述である。資料がないというのは幸運でもある。ある事象の考証が求められても、「想像と創造」で論理的な思考を組み立てれば、自分自身が納得する。少なくとも私は日本が天照大神以来続いているとするという神話論には組しない。
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キーワード:スケールシフト思考― 視点を変えると世界が変わる
装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。