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2026/10 Vol.129

装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。

バックナンバー

ドローンの社会実装の次なるステージ

ドローンの運航リスク評価 ― SORA に見るリスクに応じた安全確保 ―

中村 裕子(東京大学)

はじめに

ドローンの運航による地上や空中の第三者リスクに注目

小型マルチコプターの台頭とともに、ドローン(無人航空機)の利活用が、撮影・測量・点検から物流・災害対応まで、人々の生活を助け守る存在として期待されるようになって、10年余りが経つ。本特集の他稿が示すとおり、市場・産業の動向、AI・通信といった要素技術、UTMや制度の整備が同時並行で進む一方、社会実装の前提として避けて通れないのが「第三者の安全」である。

有人航空機と異なり、ドローンには機上に守るべき乗員がいない。したがって運航上のリスクの中心は、運航に関与しない地上や空中の第三者に及ぶ危害である。ドローンの利活用はこれまで主に無人地帯で発展してきたが、従来の立入管理措置を緩和する近年のレベル3.5の運用に見られるように、運航は次第に第三者との距離を縮めつつある。さらに、配送のように第三者の近傍での運航が高頻度で定常化する社会が望まれる場合、運航そのもののリスクを見積もり、それに見合った安全確保措置を十分に講じる枠組みが重要になる。

日本の現行制度は、機体の認証、操縦者の技能証明、そして運航に関するルール・許可承認を柱とする。前二者が「何を」「誰が」飛ばすかを担保するのに対し、後者は「どのような体制・手順で運航するか」という運航に内在するリスクを扱う。もっとも、運航のリスクを体系的に評価する枠組みの本格的な活用は、これまでレベル4(カテゴリーIII)という限られた場面に主にとどまってきた。しかし、レベル3.5のような新たな分類が現れ、運航形態が多様化する今こそ、運航リスクをどう見積もり、どう抑えるかを体系立てて評価し、それに見合った安全確保措置へと結びつける枠組みが、レベルを超えていっそう重要になる。

本稿では、この「運航リスク評価」の考え方を、国際的に普及しつつある評価手法 SORA(Specific Operations Risk Assessment)(1)を軸に解説する。ここでSORA は、欧米日を含む各国の航空当局と専門家からなる国際組織 JARUS(Joint Authorities for Rulemaking on Unmanned Systems)が、この分野のベストプラクティスを取りまとめた運航リスク評価手法である。

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