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2021/9 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ハートカム

明治7(1874)年/真鍮、鉄、木製台座/H400, W300, D303(mm)/

東京大学総合研究博物館所蔵

「HEART CAM」の刻記あり。工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1874」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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特集 画像で見る機械工学

[発電所バーチャル見学]東北電力原子力発電所のバーチャル見学~一人でも多くの方々に発電所を知っていただくために~

春日川 覚〔東北電力(株)〕

工学および産業界における動画活用事例

参考リンク;女川原子力発電所|発電所を見学しよう!バーチャル見学|東北電力 (tohoku-epco.co.jp)

東通原子力発電所|発電所を見学しよう!バーチャル見学|東北電力 (tohoku-epco.co.jp)

発電所バーチャル見学の概要

東京電力福島第一原子力発電所事故を契機に

東京電力福島第一原子力発電所事故により、原子力に対する信頼は大きく低下した。福島県をはじめ東北と新潟県を事業エリアとする当社にとって、原子力の信頼回復は最重要課題であり、原子力部門のみならず全社一丸となって原子力の必要性・安全性に係る対話活動を積極的に展開している。

対話活動においては、当社からの一方的な主張にならないよう、地域の皆さまと「今後のエネルギーについて共に考える」ことを基本スタンスとしている。また、発電所の「いま」を実際に見ていただくことが重要と考え、できるだけ多くの方々に発電所を見ていただく取り組みも実施している。見学いただいたお客さまからは、「実際に見て、安全確保の取り組みを理解した」などの感想をいただいており、対話・理解活動において発電所見学は最も効果が大きいと評価している。

一方で、「リアル」な発電所見学は、地理的・時間的制約などから、対象者が限られるという課題がある。このため、より多くの方々に、当社原子力発電所の状況を知っていただくための方策として、当社ホームページを活用して、「発電所バーチャル見学」を展開することとした。

「発電所バーチャル見学」は、当社の安全確保に対する信念・姿勢や、原子力発電の仕組み、安全対策の実施状況などを一般の方々に分かりやすくお伝えすることをコンセプトとしている。発電所のレイアウトに沿う形での画面展開とし、動画などを多く用いることにより、発電所見学の疑似体験を演出している(図1)

また、できるだけ多くの方々に「発電所バーチャル見学」(1)(2)に訪れていただくよう、SNSなどを活用して、当該ホームページへの誘導も実施している。

発電所では現在もさまざまな安全対策工事が継続していることから、これらの工事の進捗にあわせ、今後「発電所バーチャル見学」は適宜更新していく考えである。

2020年2月以降、東北地方においても新型コロナウイルスの感染が拡大し、リアルな発電所見学は一時受入れを見合わせざるを得なかった。また、地域の方々と直接顔を合わせる形での対話活動も難しい状況となった。しかし、「発電所バーチャル見学」を整備していたことにより、コロナ禍で制約を受けた活動を一定程度カバーできたと評価している。

図1 女川バーチャル見学のイメージ(HPから抜粋)

東日本大震災時の女川原子力発電所の状況

原子炉は安全に停止。避難住民を受入れ

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