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2026/6 Vol.129

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スケールシフト思考― 視点を変えると世界が変わる

第6回 スケールシフトで「人」を視る

岩渕 明(岩手大学)

後期高齢者となったせいで、最近は「老化・寿命」を意識し始めている。そこで今回は生物学の「人」を取り上げる。他分野の事象も機械工学の現象の類似性からその理解を進めることがスケールシフトの目的だからである。ここでスケールシフト的に視るとはマクロ的視点とミクロ視点であり、地球対人類、人類対個々人、あるいは人体対臓器、臓器対細胞などと相対的比較となろう。

▼地球上における人類

機械に寿命があるように、「人」にも寿命がある。と言っても対象が人類か、個々人か、さらには臓器、細胞かで意味が異なってくる。ここではマクロなシステムとそれを構成するパーツと捉え、母体(システム)の維持のためパーツはその機能性を保つための駒(要素)となる。したがって、システムの死とパーツの死は異なるので、人類の死と個々人の死は関係するが、イコールではない。

まず、地球を太陽エネルギに依存する生命体(システム)と考え、人類は地球上の駒の一つであると捉える。地球システムの維持に貢献できなければ、人類は寄生動物である。その人類の寿命は太陽エネルギの続くかぎり続くかといえば、隕石の衝突による異変、あるいは地球自体の活動に起因する地震、津波、火山、豪雨といった災害などの環境変化に対処できなければ寿命となる。

表1はK-T絶滅以降の我々人類の系統的流れを示したものである。K-T絶滅とは、6500万年前にメキシコ・ユカタン半島に隕石が落下後に気候の急変、海水位の変異、さらに火山活動の活発化で、全盛を迎えていた恐竜を始め、小型犬よりも大きな陸生動物が絶滅した時である。もしこの気候変動が起きなければ、恐竜の時代は継続し、我々は存在しなかったかもしれない。あるいは別の動物種に進化していたかもしれない。よく知られるネアンデルタール人は、35万年前に出現し、2万数千年前に死滅した。

表1 日本人までの類人猿の連続的存属続

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