特集 機械技術史のあり方を考える
電気学会の技術史への取組み
はじめに
20世紀は電気の時代と言われ、現在の産業革命は電気によって実現したとも言われる。こうした社会を作り上げた電気技術を継承し、記録、顕彰することが求められている。本稿では、こうした技術史の研究・調査を行っている電気学会の取組み・活動を紹介する。
電気技術史技術委員会の発足
電気学会創立100年をきっかけとし、1990年に電気技術史を研究・調査するために電気学会内に常設の委員会をおいた。これが電気技術史技術委員会である(1)(2)。
初代委員長は、電子情報通信学会の会長を務めた産業技術・融合領域研究所所長の大越孝敬氏であった(図1)。第5代委員長が鈴木浩、今の第8代委員長が澤敏之である。
電気全体の歴史を扱うので、電気学会会長直属の組織とすべきであったが、そうすると、以下に紹介する調査専門委員会や研究会などの調査・研究活動が行えないという制約があるため、基礎・材料・共通部門(通称A部門)の中に設置することとなった。
本技術委員会の設置趣意書(3)には、「現代文明の展開に伴い近代技術のあり方が問われると予想される時代にあって、電気技術の本質を十分踏まえてこれらに対処すべきことが、電気技術者自らが社会的責任を果たす上で、喫緊の課題として求められている」と記されている。

図1 初代委員長 大越孝敬氏