特集 学会横断テーマ「機械・インフラの保守・保全、信頼性強化」
機械・インフラ監視におけるセンサ端末
はじめに
2019年度年次大会の理事会企画OSに端を発する一連の学会横断テーマの活動は、これまでの日本機械学会のあり方に対して一石を投じる、大変意義深いものであった。テーマリーダである井原先生のリーダーシップと、企画チームの井上先生の絶妙なファシリテーションのもと、多くの部門や他学会の有識者とのディスカッションを通じて、日本機械学会、ひいては日本社会が抱える多くの課題が明らかになった。その中には、我々の社会の構造的な課題、さらに言えば、我々日本人が日本人であるが故の文化的な背景に根差すような根源的な課題も含まれていたと感じている。
ただ、こうした課題の数々は、むしろ本特集を通じて井原先生自らや、企画チームの他の先生方に語っていただくのが望ましいだろう。そこで本稿においては、筆者の所属である情報・知能・精密機器部門のアクティビティの観点から、これまでの横断テーマの議論の中であまり扱われることのなかった、機械・インフラのヘルスモニタリングに用いるセンサおよびセンサ端末に関してコメントさせていただきたい。